野田裕示(のだ・ひろじ)は1952年和歌山県生まれ。1976年多摩美術大学油画科卒業後まもなく、当時現代美術の先駆的画廊であった南画廊(東京)の志水楠男氏に見出され、初めての個展を行い早くからその実験的でダイナミックな作品は注目を集めました。
野田は、一貫して支持体と絵画の関係に取り組んだ作品を発表しています。国内外の美術館、画廊での展示を精力的に行ない、2001年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。その後、石彫の岡本敦生氏とのコラボレーションで石の彫刻にアクリル絵の具によるペイントを施した作品で「現代日本彫刻展」毎日新聞社賞を受賞するなど、立体と平面による新しい展開も見せています。
2012年に国立新美術館(東京・六本木)で東京では初めてとなる大規模な回顧展が開催されたのは記憶に新しいところです。新作を含め約140点が展示され、圧倒的な作品群とその独特の絵画世界は好評を博しました。
野田は80年代初期、レリーフ状の箱型作品から始まり、徐々に支持体全面を袋で被い、カンヴァスを重ねて画面を構成する手法に移行していきました。また近年は、躍動感のある人体のような白いフォルムが現れたり、一転して白を背景にフラットな画面に描いたりと様々な変容を見せています。
野田の作品は日々、自由に繰り返し描かれる膨大な量のデッサンから生まれます。一見、幾何学模様や植物、有機的なフォルムにも見える文様は野田が無意識に追い求めた心地よいかたちなのかもしれません。
今回の新作は、それらのかたちを様々なサイズに拡大しタブローに落とし込まれたもので、その画面は絵具の層とキャンバスが幾重にも重なり、削り取られ豊かな表情となって表れています。
本展は150号の大作のほか、4mにもおよぶ連作、その他小品数点が展示されます。次々と新たな試みを見せてくれる野田裕示の新作展。今回もこの機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
>> 野田裕示 略歴
WORK 1992 - 1996 2014 Acrylic on canvas
116.7×80.3cm each
WORK 1987 - 1991 2014 Acrylic on canvas
116.7×80.3cm each
<以前の展覧会情報>
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WORK 1998 2014
Acrylic on canvas 227.3×181.8cm
WORK 1997 2014
Acrylic on canvas 227.3×181.8cm
会場風景 / Installation view 01
会場風景 / Installation view 02
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