川島清は１９５１年福島県生まれ。１９８３年に東京藝術大学大学院を修了後、１９８６－８８年にはAsian Cultural Councilの助成を受け渡米し、ニューヨークで作品の発表を行いました。帰国後は国内外の展覧会に出品し、１９９３年にはいわき市立美術館で個展をするなど日本を代表する彫刻家の一人です。川島は鉄、鉛、木、銅、ワックス、石膏などの素材を用い、時間の流れ、あるいは記憶の集積を感じさせる大規模な彫刻作品を制作するほか、重量感のあるドローイング作品などを発表しています。
 「水量－二胴体」 1984/2004-2005年 72.7x59x705cm 鉄、鉛、木 他 |
川島は一昨年から銅版画の制作に取り組み始め、昨年は初めて版画作品を発表し好評を頂きました。今回は昨年に続いて2度目の版画による展覧会となります。 前回発表した銅版画は1版を刷り上げた後、さらに再び線を描き込んで第2ステート、第3ステートと手を加えて連続して制作する方法をとり、そのシリーズで版画集も発表しました。銅板に線を刻み込み、腐食の時間を経てその痕跡を紙に残していく作業は、さまざまな素材の本質を捉え、構築して作られる彫刻作品と同じ視点にあるものといえます。
今回発表の新作は、前回の連続した手法ではなく、一点ごとに完結した作品となりました。彫刻とは別の、銅板との関わりにおいて、さまざまな工程を経て紡ぎ出される新しい表現を、確実に獲得し始めた作品といえます。
今回の展示は、エッチング、ドライポイント併用の銅版画、および、銅版に手彩を施した作品など約３０点になります。さらに新たな表現に挑戦し続ける川島清の新作を是非ご高覧いただけますよう、よろしくお願いいたします。
●版画作品リスト
● 川島清 略歴
1951福島県生まれ
1983東京藝術大学大学院美術研究科博士課程満期退学
1986-88 Asian Cultural Council の助成を受けて渡米
1987 P.S.1プロジェクト（ニューヨーク）
1989、’90 個展 （現代彫刻センター/東京）
1992、’01個展 （フジテレビギャラリー/東京）
1993 個展 （いわき市立美術館）
1993 「90年の日本－13人のアーティストたちの提言」（ローマ市立フォロクローレ美術館/イタリア、デュッセルドルフ美術館/ドイツ）
1993 「富山国際現代美術展」富山県立近代美術館
1996 「レクイエム-榎倉康二と33人の作家」（斎藤記念川口現代美術館/埼玉）
2000 「ART-TODAY 2000-３つの回顧から」（セゾン現代美術館/長野）
2003,’04,’05 個展 （ギャルリー東京ユマニテ/東京）
●展覧会名 川島清 新作版画展－変化口 Kiyoshi KAWASHIMA new prints
●会 期 2006/7/3（月） － 7/20（木） ＊日曜日休廊 10:30-18:30
●会 場 ギャルリー東京ユマニテ
〒104-0031 東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB1F tel. 03-3562-1305
※地下鉄銀座線京橋駅下車⑥番出口から徒歩１分
●問い合せ先
ギャルリー東京ユマニテ tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306
e-mail: humanite@js8.so-net.ne.jp
