加納光於(かのう・みつお)は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、1950年代半ばから作品を発表。1960年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなど数々の国際展で評価を高め、日本を代表する作家の一人となりました。
その後1980年代からは色彩豊かな油彩作品を発表。国内外の美術館で展覧会を行い、2000年には愛知県美術館で大規模な個展を開催。2005年には再度、リュブリアナ国際版画ビエンナーレの日本代表として出品。近年はほぼ隔年ごとに新作を発表し精力的に活動を続けています。
さらに、9/14からは神奈川県立近代美術館 鎌倉において13年ぶりとなる公立美術館での個展が始まります。この展覧会は1950年代初期銅版画から、国際展などで受賞したモノクロームの代表作、色彩豊かな油彩大作、オブジェと半世紀以上にわたる加納作品を一堂に展覧できる機会となります。
ギャルリー東京ユマニテでの本展は、2年ぶりの個展となり、鎌倉での展覧会に併せて開催されるものです。2001年制作の未発表油彩の他に新作を含め10数点の展示となります。
ここ数年、加納は鳥や楕円のような形を組み合わせ、色彩の洪水ともいえるダイナミックな作品を発表してきましたが、前回の個展からは自身の手や庭にある樹木の葉のシルエットを用い、柔らかい色彩のイメージへ変化してきました。常に更なる進化を見せる加納ですが、「色身(ルゥーパ)」を見つめるその作品世界は時間を経てもなお、観る者に新たな気付きと感動を与えてくれます。鎌倉での大規模な回顧展とギャルリー東京ユマニテでの新作展。貴重な機会となる今回、お見逃しなく是非ご高覧下さい。
>> 加納光於 略歴
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《ルゥーパ、降り注ぐものの》 A
"rūpa", Comes Pouring Down Incessantly But: A
2013 Oil on paper 76.5×56.5cm
《ルゥーパ、降り注ぐものの》 B
"rūpa", Comes Pouring Down Incessantly But: B
2013 Oil on paper 76.5×56.5cm
<参考図版>
《ルゥーパ、降り注ぐものの》Ⅲ
"rūpa", Comes Pouring Down Incessantly But: III
2013 Oil on canvas 145.5×112.0cm
撮影:上野則宏 Photo: Norihiro Ueno
《鳥影―遮るものの変容》 会場風景
(2010年 ギャルリー東京ユマニテ)Installation view of Bird's Shadow - Interrupting,
Changing
(2010 Galerie Tokyo Humanité)
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