加納光於は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、’50年代半ばから作品を発表。’60年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなど、数々の国際展で評価を高め、日本を代表する作家のひとりとなりました。その後’80年代からは色彩豊かな油彩作品を発表。  国内外の美術館で個展を行い, 近年では2000年に愛知県美術館で大規模な個展が開催され、’05年には再度、リュブリアナ国際版画ビエンナーレの日本代表として版画作品を出品しました。
加納光於の作品タイトルは、文学や生物学に関連するものが多く見られますが、今回の新作タイトルは、《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》です。
2007年前回の個展では紙に油彩で描いた今回のエスキース的な作品を発表しましたが、今回の新作は、そのシリーズを経て到達した油彩作品となります。前回の作品に見られた卵や楕円の形が家計図の数列のように秩序正しく連なっていた様が、果実を思わせる形に変化し、流動的でスピード感のあるイメージへと変化し、作品全体に重要な要素として現れてきました。今回も加納の作品からは様々なイメージが膨らんできます。

今回の個展は、1年半ぶりの新作展になりますが、油彩、キャンバスの大作(227x182cm、162x130cm)を中心に20数点展示いたします。 次々と新たな展開を見せる、加納光於の新作をこの機会に是非ご高覧下さい。

<加納光於 (かのうみつお) 略歴 >
1933 東京神田に生まれる 
1953 独学で銅版画試作を始める

主な個展
1960 ’62 南画廊(東京)
1972 「“加納光於-大岡信共作展”アララットの船あ
るいは空の蜜」南画廊(東京)
1980 「加納光於の版画-瀧口修造とともにー」福岡市美術館
1980 「加納光於-PAINTING 1980-1983」北九州市立美術館(福岡) 
1993 「色彩としてのスフィンクス-加納光於」セゾン美術館(東京)、徳島県立近代美術館
1997 「葡萄弾-加納光於 オブジェ1968-1997」愛知県美術館
2000 「加納光於 《「骨の鏡」あるいは色彩のミラージュ》」愛知県美術館
2003 「加納光於 《フィロゾーマ》 2003 oil on paper & color intaglio」ギャルリー東京ユマニテ(東京)
2004 「加納光於 《Serpentinata》 2004 oil on canvas」ギャルリー東京ユマニテ(東京)
2006 「加納光於 《充ちよ、地の髭》- W.B頌 oil on canvas 2005-‘06」ギャルリー東京ユマニテ(東京)
2007 「加納光於 《止まれ、フィボナッチの兎》 oil and water color on paper」ギャルリー東京ユマニテ(東京)

主なグループ展
1957 ’60 ’62 ’64 ’66 ’68 ’79 「東京国際版画ビエンナーレ展」(東京)
1959 ’61 ’63 ’67 「サンパウロ・ビエンナーレ展」サンパウロ近代美術館(ブラジル)
1959 ’61 ’63 ’65 ’67 ’69 ‘04 「リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展」リュブリアナ近代美術館(ユーゴスラビア)
1971「戦後美術のクロニクル展」神奈川県立近代美術館
1974 「現代日本美術展」シンシナティ美術館(アメリカ)
1992 「本の宇宙-詩想をはこぶ容器」栃木県立美術館
1995 「戦後文化の奇跡 1945-1955」目黒区美術館(東京)、兵庫県立近代美術館、広島市現代美術館
1998 「瀧口修造とその周辺」国立国際美術館(大阪)
2005 「リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展」リュブリアナ(スロヴェニア)
2006 「武満徹 Vision in Time 展」東京オペラシティアートギャラリー
「詩人の眼-大岡信コレクション展」三鷹市美術ギャラリー、福岡県立美術館、足利市立美術館(栃木)
2007 「澁澤龍彦-幻想美術館」埼玉県立近代美術館

関連情報 2007.9  2006.3  2004.9  2003.9  2002.6  2002.4  2001.11  1999.11  1999.7  1999.4  1999.1  1998.10

お問い合わせは  ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306


《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》Ⅶ
2007-08 oil on canvas 145.5x112.0cm


《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》3
2007-08 oil on canvas board 105.0x75.0cm


《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》 Ⅲ
油彩、キャンバス 227.3x162.1cm


《身振りのアルファベット、あるいは跳ね馬のように》 10
油彩、キャンバス 100x72.7cm


(参考図版)
加納光於展会場 2007 ギャルリー東京ユマニテ

EXHIBITION

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