加納光於(かのう・みつお)は1933年東京生まれ。独学で銅版画を学び、’60年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなど、数々の国際展で評価を高め、日本を代表する作家のひとりとなりました。その後’80年代からは色彩豊かな油彩作品を発表。国内外の美術館で個展を行い、2000年に愛知県美術館で大規模な個展が開催。’05年には再度、リュブリアナ国際版画ビエンナーレの日本代表として版画作品を出品。近年はほぼ隔年ごとに新作を発表し精力的に活動を続けています。 ここ数年、加納は鳥や楕円のような形を組み合わせ、色彩の洪水ともいえるダイナミックな作品を発表。前回は動きのあるストーリィを感じさせる7mもの大作で圧倒的な存在感を与えました。今回の新作は紙に描かれた作品ですが、以前入手したフィリピン産の土壁を思わせる素材感のある紙や、和紙、BFKなどを使い、また新しい素材として柿渋を多用しています。画面いっぱいに飛沫がほとばしる柿渋は、以前からその色彩の変化に興味があったものの中々手強い相手だったようです。 今年春以降、加納は今までの仕事を振り返る時を持ち、より生命感あふれる具体性を持った形と、馴染みのなかった紙、柿渋、水彩との出会いで新たな作品が生まれました。 今回の個展は、1年ぶりの新作展になりますが、76x56cmのサイズを中心に紙に描かれた約30数点の出品となります。 次々と新たな展開を見せる加納光於の新作をお見逃しなく、この機会に非ご高覧下さい。
<関連情報> 「アートプログラム青梅
2011 『山川の間で』」 「アートとブックのコラボレーション展」
<以前の展覧会情報> 2010 加納
光於 《鳥影-遮るものの変容》
<展覧会概要> 加納光於 《地平の蜜蜂》 KANO mitsuo
persimmon tannin, water color on paper 2011 |
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