林孝彦は1961年岐阜県生まれ。1987年に東京藝術大学大学院版画専攻修了後、西武美術館版画大賞展優秀賞、現代日本美術展東京都美術館賞を受賞。全国各地を旅し個展を中心に発表していますが、近年は国内に留まらず、アメリカ、ドイツなどでも発表しています。さらに、Tumblr、Instagram、PinterestなどSNSからも作品を発信し、フォロワー数は2万9千人超、幅広いアプローチで精力的に発表を続けています。
林は銅版画作品を中心に発表していますが、並行して手漉き和紙、パーチメント(羊皮紙)と布のコラージュ、インクで描かれたドローイング、ガラス絵、木口木版等も発表しています。精緻な技術に裏打ちされた、スピード感のある力強い曲線とその色調はどこかプリミティブなイメージも感じさせます。
当画廊では4年ぶりの新作展となる本展では、ペインティングと銅版画による作品を発表いたします。羊皮や仔牛皮、古びた和紙などそれ自体に存在感ある支持体を用い、多数の軸を持つ渦巻線を画面に描いていく時間の中で、モノと時間、集積と流れについて考察した作品となっています。お見逃しなく是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
いつも心に留めて描く事。何かを覆い隠すような描き方はしない。そのために線を用います。正義と悪を描き分けるような事はしない。
結果としての絵柄が関心事ではありません。上も下も無く右も左も無く、画面をぐるぐる回しながら向き合った私の日々の在り様をご覧ください。
>> 林孝彦 略歴
〈前回の展覧会〉
林孝彦展 HAYASHI Takahiko
「The Lines」
2019.4.15(月)‐4.27(土)
オンラインショップ「OIL by 美術手帖」にて林孝彦の作品を販売中
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