加納光於(かのう・みつお/b. 1933)は独学で銅版画を学び、1950年代半ばから作品を発表。1960年代からリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなど数々の国際展で評価を高め、日本を代表する作家となりました。
初期の作品は植物や生物を思わせるモノクロームの銅版画を中心に、その後メタルプリント、リトグラフ、オブジェなどを発表。また、瀧口修造、大岡信など詩人とのコラボレーション、舞台美術、ブックワーク等幅広い活動を行いました。1980年代からは色彩豊かな油彩を発表。近年では愛知県美術館(2000)、神奈川県立近代美術館 鎌倉(2013)、CCGA現代グラフィックアートセンター(福島/2017)での個展など、現在も精力的に発表を続けています。
今回は1994年に制作された未発表の油彩の他、最新作も含め約20点を展示いたします。1994年の《巡りあう種子のように》と題された作品は、密教の曼陀羅を思わせる円形がいくつも配され、菩薩を意味する「種子(しゅじ)」がシンボルのように想起されます。また、最新作の6点組作品は、加納の自宅庭を彷彿とさせる植物や鳥のシルエットが浮かび上がり、暗闇の中に様々な旋律が聞こえてきそうです。80歳を超えてなお精力的に制作を続ける加納。今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。
また、11/1からは富山県美術館にて長年親交のあった詩人・瀧口修造との展覧会が開催されます。初期から近作までの代表的な作品が出品されます。併せて是非ご高覧下さい。
〈関連情報〉
「瀧口修造/加納光於 《海燕のセミオテック》 2019」
2019.11.1(金)‐12.25(水) 富山県美術館(富山市木場町3-20)
>> 加納光於 略歴
〈以前の展覧会〉
加納光於 《平家物語》逍遥
KANO mitsuo The Tale of the Heike monotype 1996・2002
2018.3.5(月)‐3.20(火)
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