ギャルリー東京ユマニテでは2年ぶり4回目となる飯嶋桃代の新作展を開催いたします。飯嶋は1982年神奈川県生まれ。2011年女子美術大学大学院美術研究科博士後期課を修了。在学中から発表し、近年ではgalleryαM(東京、2014 北澤憲昭氏キュレーション)、「第9回shiseido art egg」 shiseido gallery(東京、2015)での個展、「新進芸術家選抜展 FAUSS 2016」O美術館(東京、2016)など精力的に発表。繊細な素材を使ったダイナミックなインスタレーションで注目を集める作家です。
飯嶋はこれまで古着や食器などの日用品を家型の白いパラフィンワックス(蝋)に封じこめた作品や、衣服のボタン、ネームタグ、毛皮などを用いて壁面を覆いつくす大掛かりなインスタレーションを発表してきました。それらの素材は、すでに様々な人の記憶やぬくもりを纏ったものであり、また家や衣服は安全に身体を保護するという目的も持ち合わせています。
また、前回ユマニテでの展示では器を廃棄する場である「ものはら」をキーワードに、展示空間を大量の茶碗で埋め尽くしたインスタレーションを発表。飯嶋はこれまで様々な価値観や問題をはらんだ現代の家族、家の在り方とそれを構成する個人一人ひとりの危うい関係性をテーマに制作してきました。
今回は巨大な鏡が出現し、現実ともう一つのいわば虚構の世界を作り上げます。日々を過ごす中で互いに呼応し、また相反する二つの世界と個人の関係。美しくも儚く、力強い飯嶋の世界。今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
鏡の中のイメージの世界と実体の世界。分離しながら逆さまに対応しているふたつの世界。
鏡は、ひとつの世界を、ふたつに分離し対峙させる。
この分離したふたつの世界をボタンとボタンホールによって繋ぎとめる。繫ぎとめる行為は、世界がふたつであることを確認する行為でもある。鏡の前で身支度をする。鏡の世界に旅に出るのだ。私のカラダは鏡の前に置いたままで。
ふたつの世界から発せられるささやきとざわめきに耳をかたむけてほしい。
助成:公益財団法人アイスタイル芸術スポーツ振興財団
>> 飯嶋桃代 略歴
〈以前の展覧会〉
飯嶋桃代展 ―ものはら―
IIJIMA Momoyo MONOHARA
2016.10.31(月)‐11.19(土)
|