この度、2012年に急逝した彫刻家 神山明の追悼展をコバヤシ画廊(東京・銀座)、ギャルリー東京ユマニテ(東京・京橋)にて同時開催いたします。
神山明は1953年東京生まれ。東京藝術大学大学院修了後、日本国際美術展、ヘンリー・ムーア大賞展、現代日本美術展、ハラアニュアル(原美術館)、サンパウロビエンナーレなどに出品。その後、国内外の展覧会で発表を続け、2000年以降は相生森林美術館(徳島)での個展、宇部市野外彫刻美術館(山口)の現代日本彫刻展、さらにコバヤシ画廊、ギャルリー東京ユマニテ、島田画廊(東京)などの個展で発表してきました。詩情を感じさせる静かな作品は独特の存在感を示し、日本を代表する彫刻家の一人として活躍。2012年には自身の企画編集による作品集「AKIRA KAMIYAMA WORKS 1984-2012」を刊行し、次の個展の構想を練りながら制作を続けていましたが、残念ながら2012年に急逝されました。
神山は、主に杉材にオイルステインを施し、小屋や塔、階段などを組み合わせ、創造建築の模型のような精巧な作品を発表してきました。2005年の宇部市彫刻美術館の展示では野外公園に設置された大作を、ユマニテ前々回の個展では、2m 大のテーブルのような形状に工場や家、川など、大きな街が繰り広げられ、作られた異空間であるのに、どこか懐かしい風景、遠い昔の記憶を思い出させる不思議な魅力に満ちていました。
神山は生前「作品を制作する上で、以前は自分が想像する世界、そこにいる人たちを取りまく街などのストーリーを見つめていたが最近は、そこに存在する人そのもの、その人の心象の変化を見つめ、人について思いをめぐらすようになった。」また、「長い歴史の中で、人が考えてきたことや見てきたものは、どんなものだったか。そして、私たちがこれから考えることや見るものは、どのようなものなのか。それが作品を作るときにいつも考えている。」と残しています。
最後の展示となったユマニテ2010年の個展で「人そのもの」を考えた神山がたどり着いたのは、一切着色のない真っ白で無垢な紙で作られた人体を思わせる立体でした。それは、地にしっかりと足の着いた堂々とゆるぎない存在でどこか神々しいまでの印象を与えながらも、反面何も描かれない表面は、現代人が抱える不確実な感情を感じさせる独特な作品となりました。
本展は、神山明の追悼展として、コバヤシ画廊、ギャルリー東京ユマニテの二会場においてそれぞれの個展で発表された旧作を展示いたします。この機会をお見逃しなく、是非ご高覧下さい。
>> 神山明 略歴
<同時開催>
コバヤシ画廊企画室
11:30-19:00(最終日17:00)
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1 tel. 03-3561-0515
<関連情報>
「常設展示 神山明 西雅秋」
会期 2015.6.12(金)‐6.17(水) 13:00-18:00 会期中無休
会場 島田画廊
東京都世田谷区下馬6-43-5
<以前の展覧会>
神山明展 KAMIYAMA Akira New Works 2010
2010.2.1(月)‐2.20(土)
神山明展 KAMIYAMA Akira
New Works 2007
2007.1.15(月)‐2.3(土)
神山明展 KAMIYAMA Akira New
Works 2002
2002.12.9(月)‐12.27(金)
神山明展 KAMIYAMA Akira New Works
1998.6.8(月)‐6.27(土)
|