神山明は1953 年、東京生まれ。東京藝術大学大学院修了後、現代日本美術展、サンパウロビエンナーレなどに出品。その後、国内外の展覧会で発表を続け、近年では相生森林美術館(徳島)での個展、宇部市野外彫刻美術館(山口)での現代日本彫刻展などに出品。その印象的でユニークな作品は日本を代表する彫刻家の一人といえます。
神山は、これまで杉材にオイルスティンで彩色し、小屋や塔、階段などの構造物を組み合わせ、創造建築の模型のような精巧な作品を発表してきました。
大きなものは野外公園に設置されたテーブルとベンチのような作品であったり、前回の新作展では、2m 大のテーブルのような形状に工場や家、川など、大きな街が繰り広げられた作品で、作られた異空間であるのに、どこか懐かしい風景、遠い昔の記憶を思い出させる不思議な魅力に満ちていました。
神山は、「作品を制作する上で、今までは自分が想像する世界、そこにいる人たちを取りまく街、世界などのストーリィを見つめていたが最近は、そこに存在する「人そのもの」、その人の心象の変化を見つめ、人について思いをめぐらすようになった」といいます。
また、長い歴史の中で、人が考えてきたことや見てきたものは、どんなものだったか。そして、私たちがこれから考えることや見るものは、どのようなものなのか。それが、作品を作るときにいつも考えていることだといいます。
「人そのもの」を考えたとき、神山がたどり着いたのは、一切着色のない真っ白で無垢な紙のみで作られた人体を思わせる立体でした。それは、地にしっかりと足の着いた堂々としたゆるぎない存在でどこか神々しいまでの印象を与えながらも、反面、何も描かれない表面は、現代人が抱える掴みきれない不確実な感情も感じさせる独特な作品となりました。
本展は、これまでの木の作品から一転、全て紙による立体作品の展示になり、ほぼ等身大の作品7点の他、壁に掛ける小品を併せて約14
点の出品となります。ギャラリーの非日常的なホワイトキューブに、真っ白な作品が浮かび上がる空間。ギャルリー東京ユマニテでは3年ぶりとなる新作展。新たな神山の造形世界に是非ご期待下さい。
● 神山 明 KAMIYAMA Akira
1953
東京に生まれる
1975
東京芸術大学美術学部工芸科デザイン専攻卒業
1977
東京芸術大学大学院デザインの基礎造形及び理論専攻修了
主な個展
1985, ’87, ’90, ‘00, ‘08
コバヤシ画廊、東京
1986, ‘88
村松画廊、東京
1987, ‘89
エスェズギャラリー(現島田画廊)、東京
1991, ‘93
西村画廊、東京
1992, ’99, ‘03
島田画廊、東京
1994
ギャルリーユマニテ、名古屋
1995, ’98, ’02, ’05, ’07, ‘10
ギャルリー東京ユマニテ
1995
ミュゼウム・ハウス・カスヤ、横須賀
2002
相生森林美術館、徳島
主なグループ展
1981
第2回ヘンリー・ムア大賞展 佳作賞(彫刻の森美術館、箱根)
1985
第18 回現代日本美術展 佳作賞(東京都美術館/京都市美術館/北九州市立美術館)
1988
第8回ハラアニュアル(原美術館、東京)
第17 回日本国際美術展 佳作賞(東京都美術館/京都市美術館)
1989
第19 回現代日本美術展 佳作賞・栃木県立美術館賞
(東京都美術館/京都市美術館/高松市美術館/広島市現代美術館)
第20 回サンパウロビエンナーレ(サンパウロ、ブラジル)
1990
作法の遊戯 90 年春・美術の現在(水戸芸術館)
1992
他文化との遭遇-非ヨーロッパ現代美術展(カッセル/ハンミュンデン、ドイツ)
1996
人工楽園 ARTIFICIAL PARADISE(佐倉市立美術館)
1998
大阪トリエンナ-レ1998-彫刻 銅賞(マイドームおおさか、大阪)
2002
東日本-彫刻 39 の造形美(東京ステーションギャラリー)
2003
-詩想のかたち-現代彫刻との対話(北海道立旭川美術館)
2005
第21 回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館)
2007
ドラマティック・コレクション(札幌芸術の森美術館)
関連情報
ギャルリー東京ユマニテ2007 個展
http://kgs-tokyo.jp/human/2007/070115/index.htm
神山明 公式HP
http://www.kamiyama-akira.com/
お問い合わせは
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