佐竹邦子は1970年神奈川県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科版画修了後、現在は同大学美術学部版画コースの准教授を務めています。
佐竹は木によるリトグラフで制作されたユニークでスピード感溢れる作品を国内外の展覧会で発表し、多くの版画賞を受賞。また、美術館などでのワークショップを行うなど多方面で活躍し、若手版画家の中でも最も注目される作家の一人です。
佐竹が手掛ける<木によるリトグラフ>は当初、版画家小作清史氏が多摩美術大学を中心に紹介されましたが、現在では国内さらに海外へとその広がりを見せています。
そのような中、今春4月には阿部出版からリトグラフの本格的技法書『リトグラフを作ろう』が刊行されます。この技法書には企画編集から佐竹も関わり、佐竹の作品も紹介されています。
本展は技法書刊行記念として、本書の紹介と併せて佐竹の1.5mもの大作を中心に10数点新作を発表いたします。
版画による新作展ではギャルリー東京ユマニテで久しぶりの発表となります。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
>> 佐竹邦子 略歴
<作家コメント>
油彩を描く様に色を重ねて、リトグラフの持ち味である絵画表現を構築していくために、版木にコラージュし、描き、それを刷ってはまた削って刷って・・・その繰り返し。
絵画なのに「描く」のではなく、繰り返される行程を、版画では「作る」と言います。この「作る行為」が、私にとって表現への確かな手応えとなるのです。
テーマは、「目に見えないもの」=「風の分子」として私の感じるオリジナルの「風のかたち」です。「風が起こる」あるいは「風起こし」というかたちでも表現される風は、五感によってその存在を人に伝え、また心情にも深く関わります。
そのものは存在せず、個として見えることは叶いませんが、「風の分子」は活力の原動力であり、いわば第一歩のエネルギー。色や形を版に刻みこみ、私は「風のかたち」を作ります。
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「Winds Work - 54」 2013
木によるリトグラフ / Lithograph by wood
ed. 10 90×65cm
「Winds Work - 51」 2011
木によるリトグラフ / Lithograph by wood
ed. 5 90×65cm
「Winds Work - 52」 2011
木によるリトグラフ / Lithograph by wood
ed. 3 140×85cm
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