佐竹邦子は1970 年神奈川県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科版画修了後、現在は同大学美術学部版画コースで准教授を務めています。
佐竹は木版リトグラフで制作されたユニークでスピード感溢れる作品を国内外の展覧会で発表し、多くの版画賞を受賞。また、美術館などでのワークショップを行うなど多方面で活躍し、若手版画家の中でも最も注目される作家の一人です。
今回はギャルリー東京ユマニテでの5年ぶりの個展となりますが、近年、版画とは別に手がけているフレスコによる新作で、100号の大作を中心に約10点を発表いたします。是非ご高覧下さい。
作家コメント
数年前から、フレスコを描くことが多くなった。描きたいものを描いていたら、自ずとフレスコの素材がピッタリ来るような感覚があったから。
私の中の「風のかたち」は、版表現でも続けてきたモチーフであるが、これらを石化したらどうなるだろう・・・
そんなことを考えながら作り始めたのだった。
思いもかけず、モルタルに浸食するピグメントの、それはまさに版を腐食していく過程と大変にていることに気付いた。時間をかけて色が石化し変容する様は、私にとっての「フレスコ=壁画」ではなく、もはや「化石化」である。しかし、それは「風化」ではない。モルタルに浸食した鮮明な顔料が、私の風のイメージを刻み込み、石化していくのである。
■佐竹邦子 SATAKE Kuniko
1970 神奈川県生まれ 1995 多摩美術大学美術学部絵画科卒業
1997 多摩美術大学大学院美術研究科版画修了
2010〜 多摩美術大学美術学部准教授
主な受賞、グループ展
1999
山本鼎版画大賞展 (長野上田市)
2000
第8 回浜松版画大賞展 (浜松市 浜松市美術館)
「第68回版画協会展」日本版画協会賞受賞 (東京都美術館)
「第29回現代日本美術展」富山県立近代美術館賞受賞 (東京都美術館)
「第36回神奈川県美術展」神奈川県立近代美術館賞受賞 (神奈川県民ホール、横浜)
「1st Young Artists Exhibition of JAPAN- BANGLADESH」 (Zainul Gallery,
バングラディッシュ)
2001
第2 回 福光棟方記念版画大賞展 / 奨励賞(福光美術館・富山県 )
2002
高知国際版画トリエンナーレ(高知県伊野町)
2003
「第71 回版画展」 準会員佳作賞・会員推挙
「トーキョーワンダーウォール都庁2003」 トーキョーワンダーウォール賞
「第11 回中華民国国際版画素描ビエンナーレ」(国立台湾美術館・台湾)
「第3回池田満寿夫大賞展」
「国際ミニプリントビエンナーレin cluj」佳作(ルーマニア ナショナルアートミュージアム)
2004
「ふくみつ棟方記念版画大賞展」棟方記念大賞(福光美術館・富山県福光)
2005
第6回高知国際版画トリエンナーレ/土佐山田町立美術館賞(いの町紙の博物館・高知)
平成16 年度文化庁優秀作品買上(文化庁)
2006
損保ジャパン選抜奨励展/推薦枠出品(損保ジャパン東郷青児美術館・西新宿)
2007
テグ プリントビエンナーレ/招待出品(Deagu Culture and Art Center・韓国 テグ)
2008
第7回高知国際版画トリエンナーレ/優秀賞(いの町紙の博物館・高知)