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展覧会 :: EXHIBITIONS

 

井上雅之展 INOUE Masayuki 「初形より-山」
2012.4.9(月)‐4.28(土) 日曜日休廊 10:30-18:30

井上雅之は1957年神戸生まれ。'85に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。井上は大学で油画を専攻しますが、在学中に陶芸のロクロ制作に出会います。それは手の中で形が生まれる事の発見でした。成形制作過程で現れる亀裂や破砕された欠片に興味を持ち、以後、陶による大規模な立体作品を制作していきます。

近年では、1995「ジャパニーズスタジオクラフツ展」(ヴィクトリア&アルバート美術館、イギリス)、1999「日本現代陶芸展-前衛の動向」(ファンボンメルファンダンフェンロ市美術館、オランダ)、2003「大地の芸術クレイワーク新世紀」(国立国際美術館)、2005「アルス・ノーヴァ―現代美術と工芸のはざまに」(東京都現代美術館)、2006「日本陶芸100 年の精華」(茨城県陶芸美術館)など国内外の企画展を中心に発表を続け日本を代表する現代陶芸作家の一人として活躍しています。

井上の作品は、粘土を板状にする「タタラ」を組み合わせて作られた形を基本単位とし、そのピースを積み重ねて作られます。大作になると100個以上にもなり、乾燥後解体、焼成し、再度組み上げられ、ひとつの作品として完成します。これらの仕事は例えば農夫が耕作地を守るためにひとつひとつ黙々と積み上げた石組み、あるいは坦々と種の伝達のために巣の造営に働く蜂などの強靭な造形物を思わせます。井上の作品は、そういった連続した行為によって支えられたひとつひとつの手仕事が蓄積され、その中に隠され潜んでいる本質が形となり、「ものの力」となって物量とともに圧倒的な力となって目の前に現れます。

今回の新作では、近年取り組んでいる『型』(木材や鉄材などで作られ、乾燥までの粘土の形状を支えます。)を用い、基本単位を構成してゆく手法が深められています。単調な形態ではない、仕切り節のついたパーツが増えたこと、またその表面に色彩の要素が加わり、いわば生命体における細胞のように連関し積み重なって全体を形成するという構造に変化しています。もちろん有機物でも、単なる無機物でも鉱物でもない、彼の作品が言いようのない生命感を漂わせることも、こうした構造と無関係ではないように思われます。また同時に、形態の出自を問う姿勢が伺えます。それは、初めて用いられた展覧会のタイトル「初形より-山」にも現れています。

今回、ギャルリー東京ユマニテでの2年ぶりの新作展となります。 約3×2.5×1.5mの大作を中心に他小品数点を展示いたします。新たな展開を見せる井上の新作をこの機会に是非ご高覧頂けますようご案内申し上げます。

 

>> 井上雅之 略歴

 

<以前の展覧会情報>

2010 井上雅之展  INOUE Masayuki new works 2010
2005 井上雅之展 INOUE Masayuki new works 2005

 

<展覧会概要>

井上雅之展  INOUE Masayuki 「初形より-山」
2012.4.9(月)‐4.28(土) 日曜日休廊 10:30-18:30


「H-121」 2012 陶/ceramic
265×314×169(h)cm


「H-122」 2012 陶/ceramic
15×14.5×15(h)cm


「マケット 1 / Maquette 1」 2012
mixed media 34.2×23.2cm


参考作品:
「H-101」 2010 陶/ceramic
290×120×212(h)cm


2010年個展会場風景
installation view of the solo exhibition in 2010

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