"孤独/Lonely" 2010  pencil, watercolor, paper on panel 68.0×48.0cm

 

時松はるなは1984年千葉市生まれ。多摩美術大学在学中に当画廊の若手作家を紹介する「humanité lab 企画」で初個展を開催。硬質なシャープペンシルで描かれた、しなやかな線で、どこか可笑しく、どこか楽しい作品は好評を得、その後、東京オペラシティアートギャラリーでの所蔵品展、KIAF韓国アートフェアなどに出品。さらに「GEISAI 10」では審査員特別賞(サミュエル・クン賞)を受賞するなど、大学在学中から注目を集めました。 また、近年は韓国やシンガポールでのグループショウへの参加、演劇のパンフレット制作など活躍の場も広がっています。

画面いっぱいに広がる、何やら楽しそうな若者たち。ある時は舞台袖で出を待つ俳優だったり、ある時は男子を追い掛ける女子だったり。また、沢山の群衆の中にいても何故か満たされない孤独感に悩む大切な仲間がいたり。日常的に繰り広げられる、ほのぼのとした、そしてドキドキとした人々の感情の一場面。実は自分自身と向き合いながら淡々と過ごす私たちの内面を代弁するかのように、時松は何気ない瞬間を切り取って、全くの下絵なしに、使い慣れたシャープペンシルや水彩、色鉛筆で軽やかに表現して見せてくれます。

今回は80号から50号の大作を中心におよそ25点の出品となります。2年半ぶりとなる注目の新作展、この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。

 

【作家コメント】

人が心の奥底に持っている数えきれないほどの感情や衝動は、自分というフィルターを通し、毎日毎日何らかの形で生みおとされていきます。本来の姿よりも外に出しやすいように、ちょっと形を作り直して、あたかも役者が役を演じるように。
役者は、泣きたい事があった日でも舞台の上では笑っています。 心の中にある本当のもやもやも、そこでは全て魅力にかえます。
わたしはそれを絵の中の彼らに演じさせます。もやもやから取り出す時に、やっぱりちょっと形を作り直して。彼らが演じているのは、けっこう些細で他愛のない事です。 ただ、それを見た誰かが、わずかでも新しい感情を抱いてくれたなら、自分もいい演技ができた、といえるのかなと思います。

 

 

 
"虫の知らせ / A Presentiment" 2009 pencil, paper on panel 27.3×41cm/each

 

<以前の展覧会情報>

2008 新世代への視点 2008 時松はるな展
2006 時松はるな展 「なんか(すごく)楽しい」

 

<展覧会概要>

時松はるな 「ライツ、カメラ、アクション!」
TOKIMATSU Haruna "Lights, Camera, Action!"

2011. 2/28(月)‐ 3/12(土) 日曜日休廊 10:30-18:30
展示内容 新作約25点

 

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