福村龍哉は1966 年東京生まれ。‘94 年に東京藝術大学博士課程を満期修了後、’01 年にロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインを修了。現在は東京を拠点に制作活動を行い、ギャルリー東京ユマニテでは、’06年に続いて3回目の個展となります。
福村は’90 年代、鉄やセメントを素材とした重厚な彫刻作品を発表していましたが、イギリスに渡ってからは制作環境の違いから、木や紙などを使い始め、それぞれの空間全体で作品を構成する手法に変化してきました。
前回の個展では、鉄のエキスパンドメタルを素材にした、高さ1.8m、横4.7m の軽やかな存在感のある作品で画廊の空間を作り上げました。

今回は、従来の重厚な鉄、セメントを素材にした作品に戻り、壁面4mものレリーフと立体の大作を展示いたします。
スコットランド北部にある遺跡のBROCH(ブロッホ)をモチーフに制作される今回の新作は、壁画を思わせる巨大なレリーフと、立体作品で、緊張感のある空間が作り出されます。
2年半ぶりの新作展となる今回、大作2 点の他、レリーフ、立体の小品数点による展示となります。
どうぞ、是非ご高覧いただけますようご案内申し上げます。

●作家コメント
私は日頃見慣れた身近な素材(鉄、セメント)を使って、規則性のある単純な形で実際の素材感とは違った立体作品を制作しています。
今回は幅約4m の大きな面と向かい合えるレリーフ状の壁面作品と、曲面と平面が織り成すうねりを持つ立体作品をメインに展示します。作品タイトルのBROCH (ブロッホ)はケルト人の作った円筒形の石造防塁建築のことで 『砦に囲まれた所』 を意味するスコットランド北部に今でも残っている遺跡です。数年前、スコットランドのスカイ島へ旅した時にいくつかブロッホを見る機会があり、それ以来、制作の上で大切なモチーフのひとつになっています。
今までの個展では大作を一点展示していましたが、今回はギャルリー東京ユマニテの大きな空間で二つの作品が対峙し且つうまく響きあうことを願っています。

<福村龍哉 略歴>
1966 東京都生まれ
1991 東京藝術大学大学院修了
1994 東京藝術大学大学院博士課程満期修了
2001 Chelsea College of Art and Design MA Fine Art 修了

個展
1989, ’91, ’93, ’95, ’97, ’04, ’07 ギャルリプス / 東京
1989, ’90, ’92, ’95, ’97 モリスギャラリー / 東京
2003, ’06, ‘09 ギャルリー東京ユマニテ / 東京

グループ展
1990 「IMPACT 3 ‘90」ギャルリーユマニテ東京 / 東京
1991, ’92, ’93, ’97 「現代日本美術展」東京都美術館 / 東京
1993 「第2 回国際コンテンポラリーアートフェアNICAF」パシフィコ横浜 / 神奈川
1994 「IMPACT 27 ‘94」ギャルリーユマニテ東京 / 東京
2001 「MA SHOW」Chelsea College of Art and Design / London
2002 「ARCADIA IN THE CITY AT MARBLE HILL」English Heritage, the-e-gallery / London
2005 「かわさき現代彫刻展2005」テクノハブイノベーション川崎(THINK)/川崎

関連情報 2006.5  2003.10

お問い合わせは  ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306


参考作品
「閾 Threshold 0601」 2006 鉄、塗料 188(h)x94x470cm
(2006 ユマニテ個展)


「BROCH」 2008
鉄、セメント、アスファルト 182(h)x182x182cm


展示風景 2009個展 ギャルリー東京ユマニテ
撮影:早川宏一


(ギャルリプス個展 2007)
「Work 0711」 2007 鉄、セメント、瀝青塗料
90[h]×60×180cm

EXHIBITION

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