中井川由季は多摩美術大学大学院を修了後、1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表。作品は多くの美術館にコレクションされ、コミッションワークも手掛けています。
土を捏ね、焼き上げて生成される陶は、古くから器など生活の中で使われてきましたが、中井川はその身近な素材でいくつものパーツを作り、組み合わせることで大規模な作品を作り上げる手法で制作しています。近年取り組んでいるのは、少しずつ表情が異なる形を並べたものや、積み重ねていくことで構成される作品で、連続性によって生まれる集合体は、まるで命を宿した生き物のように不思議な存在感に満ちています。
前回の個展では、半球状の窪みが無数に連なる幅1.5mの大作が存在感を放ち、それぞれの作品の窪みが呼応し合うような展示空間を作り上げました。今回の作品でも窪みのある形は引き継がれ、前回よりも小さなサイズでフォルムも窪みの配置も多様さが増した形が生み出されました。本展では約25点の新作を展示いたしますので、ぜひご高覧いただきますようお願いいたします。
〈作家コメント〉
前回、多数の窪みを型で作り、手捻りで繋げて整形する仕方を試して、会場に並べた。はっきりと作りたいカタチがあるのではなく作り方を手掛かりに制作を進める方法は、モヤのかかった漠然としたものに作りながら骨格と輪郭を与える事になったのではと思える。そして、作品を並べ、鑑賞者と話すことは自分が捉えている世界の見え方を洗い出してくれると感じた。
今回はサイズを小さくして同じ手法を用いたが、窪みはより小さくなり、細かい穴が空いて何かが出てきた跡のような、誰かがつついて開けたような形が出来上がった。
地下空間に小さなもの達を並べて、また、訪れる人と話してみたいと思う。
>> 中井川由季 略歴
〈前回の展覧会〉
中井川由季展 NAKAIGAWA Yuki
2023.12.4(月)‐12.23(土)
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