ギャルリー東京ユマニテでは7年ぶりとなる西島直紀の新作展を開催いたします。
西島は1980年代からぶどうやアカンサスの葉をモチーフに、紫や濃紺、シルバーグレーなどの色層を重ね合わせた抽象的な作品を発表してきました。2000年代半ばからは一変し、どこか懐かしい森の風景や建物、室内などを色数を抑えた淡い色調で描き、画面全体にはシーリングワックスのドットが配置され、まるで一枚の薄いカーテンがかかったような作品を発表しました。
近年の作品では、何気ない様子の人物やどこにでもありそうな石など、日常に溶け込むモチーフに加え、パオロ・ウッチェロの古典絵画やジョルジョ・デ・キリコの作品から引用されたモチーフも見られます。また、複数の絵画を縦横に組み合わせて構成された作品も発表、これまで平面の中で奥行きを生み出していたイメージのレイヤーが縦や横に並列され、視線の移ろいを誘う画面を生み出しています。
今展では、複数の組み合わせによる作品35点を展示いたします。ラスコー洞窟の壁画や古代エジプト美術から引用されたモチーフも加わり、遠い昔と現在という時間のレイヤーを重ね合わせるような空間が現れます。この機会をお見逃しなく、ぜひご高覧ください。
>> 西島直紀 略歴
〈前回の展覧会〉
西島直紀展 NISHIJIMA Naoki
「眼差しと感情のあいだ」
2018.1.15(月)‐2.3(土)
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