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[ 1F ]  展覧会 :: EXHIBITIONS

久米亮子展 KUME Ryoko
bouquet
2024.5.20(月)‐6.1(土)
日曜日休廊 10:30-18:30

名古屋、東京を中心に活躍する久米亮子。当画廊では2年ぶりとなる新作展を開催したします。

透明感あふれる色彩とのびやかな画面。久米の作品は一見すると植物や果物のようなものが描かれていますが、柔らかく有機的なフォルムは自然界の生命すべてに対する慈しみと愛情が満ち溢れています。今回も100号の大作を中心に約20点の作品を発表いたします。ぜひご高覧いただきますようお願いいたします。

 

〈参考テキスト〉

「久米亮子の作品」

アクリル絵具で、一貫して柔らかな抽象絵画を描いている。バイオモルフィックといえる生命的な形、それでいてシンプルな形象で画面を構成している。このシンプルさは、艶かしく、同時に強い。シンプルだけど、表層的というわけではなく、深い。つまり、したたかである。

以前は、ペースト状の大理石も使って、レイヤーの重なりを意識させたニュアンスのある画面づくりをしていたが、今はかつての画面と比べ、階調を使わず、より平明である。つまり、あいまいなものをそぎ落としていった感じである。一部に空間に形象が浮かんでいるような作品があるものの、全体には、図と地の関係が反転するような感覚がある。隣り合う形と形、色と色が強く作用し合い、同時に柔らかな関係にある。明瞭であり、しなやかであり、多様である。明晰さといってもいい、色彩の美しさと、たおやかな形の面白さが際立つのである。情緒、繊細さ、可憐さというものを削ぎ落とし、色と形を潔さによって示している。

言い換えると、動きやエネルギーが感じられるというよりは、クールで安定した色と形そのものの関係が魅力になっている。自然界の中から抽出したものを可能な限り純化、深化した色と形といえばいいだろうか。抽出し、削ぎ落とす過程で、色と形、それらが充溢する絵画空間を洗練させる。生体的な形と色が純化する中で、絵具による無機質な色面に近づきながら、その理知的なところと、なお温かみ、湿り気のあるところのコンビネーションによって、成り立っている。

タイトルは描いた後につけられる。例えば《tsuyukusa》など植物に関わるタイトルも、描いた後につけられ、最初からツユクサがモチーフというわけではない。植物的であるが、植物を描いているわけではない。あくまでそれは絵具によって、平面上の色と形を探究したうえで、それらの関係によって生まれた絵画空間である。

自然界の中から純化した、植物的なメタファーとしての形と色。平明で、豊かで優しく、つつましい。慈しみに満ち、落ち着いていて、そして強い。

井上昇治(OutermostNAGOYAより抜粋編集)

 

〈作家コメント〉

理想は長年変わらず、目に見えたり見えなかったり、自然界の中から浮かび上がる生命力、生命美を可能な限り純化した色と形で描きたい。余分なものを切り捨て純化させるとは、シンプルなだけではなく一層深く、美しく、強く、魅力的なものでなければならないと思っています。そして、僭越ながら今回は、この少し生きにくい時代を頑張っている皆さんへ愛を込めて花束を、といった気持ちです。

 

>> 久米亮子 略歴

>> 作家ウェブサイト

 

〈前回の展覧会〉

久米亮子展 KUME Ryoko
bloom bloom

2022.9.5(月)‐9.24(土)

久米亮子 KUME Ryoko
"tsuyukusa" 2024

tsuyukusa
2024
Acrylic on cotton canvas
162.1×130.3cm

 

久米亮子 KUME Ryoko
"bouquet" 2024

bouquet
2024
Acrylic on cotton canvas
91.0×91.0cm

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