あるコレクターの蒐集した作品による宮崎進(1922-2018)の追悼展を開催いたします。
宮崎は1960年代に旅芸人に取材した作品を制作、1967年に具象派新人画家の登竜門である安井賞を受賞。2004年にはサンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)に国別参加部門の日本代表として出品し、ドンゴロス(穀物などを入れる麻袋)を荒々しくコラージュした油彩の大作が高く評価されました。その後も周南市美術博物館(2005、2022)、多摩美術大学美術館(2009、2017)、山口県立美術館(2011)、神奈川県立近代美術館
葉山(2014)などで個展を開催、晩年まで精力的に制作を続けました。
宮崎は自身が体験した戦後のシベリア抑留を原点として、常に内面的な心象風景を制作し続けていました。しかしながら、それらの作品は暗く重苦しいものではなく、生命賛歌ともいうべき人間臭さ、愛情、情熱に溢れ、生の根源に迫ろうとするものです。
本展では、代表作である「シベリアシリーズ」を中心に、風景や人物のドローイング、版画など約30点の貴重な作品を展観いたします。一人のコレクターの眼を通してみる宮崎進の世界をお見逃しなく、ぜひご高覧ください。
5月の空
いつかこの地に別れを告げる日はくるだろうか、
その日はどんな日だろうか。
ひと知れず浮かんで消える雲、限りなく変化する
雲がこんなにも慰めてくれた日のことを忘れない。
(1994年)
宮崎進「13の言葉」より
>> 宮崎進 略歴
〈前回の展覧会〉
あるコレクターによる宮崎進展 I 1965-2001
MIYAZAKI Shin
2023.5.8(月)‐5.27(土)
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