ギャルリー東京ユマニテでは5回目となる西村藍の展覧会を開催いたします。武蔵野美術大学にて日本画を専攻、2019年に修士課程を修了。関東を中心に個展やグループ展で作品を発表、独自の世界観で描かれる作品は多くの注目を集めています。
宗教画を思わせる厳かな雰囲気の漂う作品の多くは、舞台の一場面のように設えられた空間に、黒い布を纏った人物と頭から白布を被った人物が描かれています。目を閉じ、布で視線を遮る彼らは、物語に没頭しているようにも、あるいは何かから目をそらすために役割を演じているようにも見えます。日常生活の中で感じる社会への矛盾などが織り込まれているという西村の物語は、登場人物の見えない視線の先だけでなく、私たちの日常という舞台でも繰り広げられているのかもしれません。
今展では、新作の100号の大作を中心に展示いたします。西村が演出する舞台でどのような物語が語られるのか、お見逃しなく、ぜひご高覧いただきますようお願いいたします。
〈作家コメント〉
昨今、多くの人が、ありのままの自分で生きたいと願いつつ、与えられたシナリオから逸脱してしまうことへの不安の間で揺れ動き葛藤しているのではないかと感じています。そういった日常の社会の中に見えてきたものを、シェイクスピアの言葉「人生は演劇である」になぞらえ、演劇の一幕のような作品を制作しています。
>> 西村藍 略歴
〈前回の展覧会〉
画廊からの発言 新世代への視点2022
西村藍展 NISHIMURA Ai
―silent drama―
2022.7.25(月)‐8.6(土)
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