中井川由季(b. 1960)は多摩美術大学大学院修了後、1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表。作品は多くの美術館にコレクションされ、さらにコミッションワークも手掛けています。
土を捏ね、焼きしめて生成される陶は古来から用の美として器などで使われてきましたが、中井川はその身近な素材でいくつものパーツを組み合わせて大規模な作品を作り上げるという手法で作品を発表。また、ギャルリー東京ユマニテでの初個展となった前回2018年の展示では、約70cmの丸みを帯びた形態がいくつも重なり合った2.5mもの大作を出品しました。
中井川が近年取り組んでいるのが、少しずつ表情が異なるいくつかの形を並べたり、積み重ね構成される作品で、小さな固まりが持つ集合体はまるで命を宿した生き物のように不思議な存在感に満ちています。3年振りの新作展となる今回も大作を中心に発表します。是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
一つ一つ表情の違うものが集合してうごめく。筑波の自然の姿を目端において生活する中で、美しく奇妙な形を見つける事が作る動機となる。また、生まれ育った農村での経験は、分かつことが出来ないほど心と体に染み込んでいる。明瞭な記憶として登ってこない「触れた何か」を深層から汲み上げて形にし、自分の作った物と向き合う事は過去から逆照射を受けて今の自分を照らし、作る上での支えとなっている。
>> 中井川由季 略歴
〈前回の展覧会〉
中井川由季展 NAKAIGAWA Yuki
2018.4.9(月)‐4.28(土)
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