岩絵の具と墨を丁寧に積み重ね、丹念に画面を作り上げる小松崎の絵画には、静かにたたずむ鳥や地面をついばんでいるような鳥など、様々な様子の鳥が描かれています。鳥の形に生きる事の不思議を感じ、人間とは違いあまり余計なことを考える事のなさそうな表情に惹かれる、と小松崎は言います。
そぎ落とされたフォルムで描かれた鳥に混ざって、図形のように直線で構成された鳥が描かれることもあります。描く中で鳥の形が膨らんだり縮んだりする感覚があると小松崎は言いますが、その変化を受け入れる事で、描き手の意図しない形が生まれてくるのかもしれません。どこか空想と現実が入り混じったような空気に包まれていますが、じっと見つめていると、この鳥たちをいつかどこかで見た事があるような感覚がもたらされます。
昨年の個展に続き、ギャルリー東京ユマニテでは4回目の展覧会となります。ぜひご高覧下さい。
〈作家コメント〉
画面上に描く鳥の形は、ついばんでいたり、佇んでいたり、それぞれの動きに応じ空想を交えて描くため、現実的な形態とはどこかしらでズレが生じる。
現実との微妙なズレは、直線や曲線など、図形的な構成として現れたりする。まわりの風景にみる物陰や水辺の植物の描出も、このような感覚に呼応している。
現実と空想との明確な区別はしておらず、とくに必要としていない。
>> 小松崎晃 略歴
〈以前の展覧会〉
humanité lab
小松崎晃展 KOMATSUZAKI Akira
2018.7.2(月)‐7.7(土)
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