ギャルリー東京ユマニテでは「井上雅之展 煙のゆくえ」を開催いたします。
井上は1957年神戸市生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表。多くの美術館などに作品がコレクションされています。
土を捏ね焼しめて生成される陶は古来から用の美の器として使われてきましたが、井上はその身近な素材でいくつものパーツを組み上げて構成し、大規模な作品を作り上げるという新たな手法で日本を代表する作家の一人です。また、昨年は「第24回日本陶芸展」で大賞受賞し、現在も精力的に発表を続けています。
2年振りの新作展となる今回の展覧会タイトルは「煙のゆくえ」。煙のかたちに興味を持ち、不定形でかたちないものを、陶という自然の力と自身の身体をとおして生成される強固な素材で立ち上げようとしています。今回は室内での展示としては最大級のサイズとなる高さ2.3mの大作を中心に発表します。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
「煙のゆくえ」
いけないことと知りつつ、庭の落ち葉を焚きます。刻々と様相を変える白煙の一瞬を切り取りたい欲求に駆られます。
そんな動機に意味があるのか逡巡しますが、何か確信めいたものがあるのも事実です。形の在り処を探しているからです。
意図を持って土を積む仕事を続けていますが、モティーフは私自身が加えた力による土の変容と、その姿への呼応です。
煙のゆくえを読み解くための、土と身体との幾度とない往還による描写です。
>> 井上雅之 略歴
〈以前の展覧会〉
井上雅之・中井川由季
INOUE Masayuki ・ NAKAIGAWA Yuki
2016.10.3(月)‐10.15(土)
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