加藤清美(かとう・きよみ)は1931年東京生まれ。戦後の日本銅版画家を代表する駒井哲郎に師事し、60年代から「東京国際版画ビエンナーレ」「春陽会」などで版画作品を発表し、80年代からは油彩画も制作。ギャルリー東京ユマニテでは、80年代から銅版画の個展を開催してきました。その後「メディテーション-真昼の瞑想」栃木県立美術館(1999)、「収蔵品展023 こことそこの間」東京オペラシティアートギャラリー(2007)に出品。近年はBOXオブジェなどの作品も発表しています。
加藤の作品は、一種の舞台装置のような虚構の場面から始まります。舞台にいる向こう側の世界と、それを眺めるこちら側の世界。唐突に差し出された手や、伏目がちな女性の優しい表情、何も映し出されることのない鏡。それらは、私たちの日常からは遠くかけ離れたものではなく、ふと振り返った時に見えてしまう幻覚のような世界なのかもしれません。その繊細で静謐な作品は、今まで多くのファンを魅了してきました。
今回は、詩画集「緩やかな季節」1968、「博物誌」1971、銅版画「Aérodynamique」1959、「海樹」1960、「暁の鏡Ⅱ」1968、「アダムの肖像Ⅰ」1969、「わかれの時」1970、「大地Ⅰ」1973など初期作品25点を展示いたします。是非ご高覧下さい。
>> 加藤清美 略歴
<以前の展覧会>
加藤清美展 KATO Kiyomi 「心象標本 II」
2014.3.17(月)‐3.29(土)
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