加藤清美(かとう・きよみ)は1931年東京生まれ。戦後の日本銅版画家を代表する駒井哲郎に師事し、60年代から「東京国際版画ビエンナーレ」「春陽会」などで版画作品を発表し、80年代からは油彩画も制作。ギャルリー東京ユマニテでは、80年代から銅版画の個展を開催してきました。
近年はBOXオブジェの制作にも取り組み、現在も精力的に制作を続けています。
加藤の作品は、一種の舞台装置を思わせる画面から始まります。舞台にいる向こう側の世界と、それを眺めるこちら側の世界。不思議に向こう側から差し出された手や、伏目がちな女性の優しい表情、何も映し出されることのない鏡。それらは、私たちの日常からは遠くかけ離れたものではなく、ふと振り返った時に見えてしまう幻覚のような世界なのかもしれません。その繊細で静謐な作品は、今まで多くのファンを魅了してきました。
今回は7年前に発表した高さ40cmほどBOXオブジェの新作が7点発表されます。その他、銅版画を数点展示いたします。静けさと慈愛に満ち独特の世界観。この機会をお見逃しなく、是非ご高覧下さい。
>> 加藤清美 略歴
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「そこに置かれた花環」 2014
石膏、ミクストメディア
Plaster, mixed media
38(h)×42(w)×33.3(d)cm
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