名古屋を中心に活躍する久米亮子。ユマニテでは2年ぶりとなる新作展です。
透明感あふれる色彩とのびやかな画面。久米の作品は花などの植物をモチーフに描かれていますが、自然界の生命すべてに対する慈しみと愛情に満ち溢れています。今回も100号の大作を中心に10数点を発表。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
<参考テキスト>
「清楚な官能性―久米亮子の近作」
人は2点を結ぶ最短距離としての直線的な理知を求める一方で、つねに生命の器(うつわ)としての原型、つまり膨らみや凹みのある曲線的なかたちへの審美の眼差を捨てることはない。しかし、生命は容赦なく流れ去る時間の中にある。画家久米亮子はその一瞬のきらめきを色彩化し、有機的なフォルムの器に掬い取ってキャンヴァスに引きとどめる。
そんな作品を個展の度に見つづけて10年余。その出会いの当初から感じとれたのは、植物がもつ清楚な官能性とでも言える香気の漂いだった。近年、それが一層密度を高めているように思う。私たちの身体が持ち合わせるフォルムや色彩に重なり合うところがどこかにあるからなのだろうか―新作に接して確かめてみたい。
馬場駿吉 (美術評論家・名古屋ボストン美術館館長)
<作家コメント>
「作品について」
美しいものには、人を幸せに導く力がある。それは、人の心であったり、さりげない風景であったり、言葉であったり、スポーツの技であったり、勿論絵画であったり。
まだまだ、力及ばずではありますが、すぐに消え入りそうな自然界の一瞬一瞬を、抽象的な色と形で、より豊かに、できれば美しくイメージしてゆくことが、私の喜びです。
>> 久米亮子 略歴
>> 作家ウェブサイト
<以前の展覧会>
humanité lab vol. 49
久米亮子展 KUME Ryoko - window -
2014.6.23(月)‐7.5(土)
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