名古屋を中心に活躍する久米亮子。ユマニテでは2年ぶりとなる新作展です。
透明感あふれる色彩とのびやかな画面。久米の作品は元来花をモチーフに描かれていますが、自然界の生命すべてに対する慈しみと愛情に満ち溢れています。今回は100号の大作を中心に10数点を出品。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
<参考テキスト>
「久米亮子の絵画」 大島徹也(愛知県美術館
主任学芸員)
久米亮子の絵画には、花にまつわる題名がよく付けられている。そして彼女が実際に描くイメージは、多かれ少なかれ抽象化されているにせよ花のそれであること、あるいは少なくとも花を連想させるものであることが多い。しかし、久米は決して単なる花の画家ではない。花は彼女にとっておそらく、私たち人間を含む生命の、さらにはそれを育む自然あるいは世界の営みの象徴的な存在なのだろう。久米は画家として、花を通してそれを描く。
ところで、私が久米の絵画において最も惹かれるのは次のことである。絵具の素材感、絵具の持つ色彩、そして絵具が塗られることで生み出される形態と空間――それらが支持体の上で、いや支持体そのものも含めて調和した時、久米の絵画は優美な強さを備え、発する。それを感じ取った時、彼女の絵画はひと目見たところの色彩の清澄さ、鮮やかさやオーガニックなリズム感による心地良さを突き抜けて、高揚的な対峙感を伴った高次の視覚的快楽に私たちを浸らせてくれる。
<作家コメント>
-作品について-
目にみえたり、みえなかったり、瞬間的に浮かび上がるきらめき。そして、そこから流れでる豊かなエネルギー、そんな自然界の様々な要素を抽象的フォルムで描きます。あの世でもこの世でもない、美しい至福感、ひとつの扉を開けたら、そんな世界もあるのでは。
>> 久米亮子 略歴
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作家ウェブサイト
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flower 2014
Acrylic on cotton canvas 73×91cm
garden 2014
Acrylic on cotton canvas 162×162cm
会場風景01 / Installation view 01
会場風景02 / Installation view 02
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