ギャルリー東京ユマニテでは25年ぶりとなる谷川晃一の個展を開催致します。谷川は1938年東京生まれ。'60年代から「読売アンデパンダン展」等に出品し作家活動を始め、ハイレッドセンターなど当時の前衛美術の流れの中で国内外の画廊、美術館で作品を発表しました。近年は池田20世紀美術館、三鷹市美術ギャラリーなどでの個展、アメリカなどでも作品を発表。その一方、美術評論、エッセイ、絵本などの文筆活動も行い幅広く活躍しています。さらに雑貨コレクターとしても知られ、昨年は大岡信ことば館(静岡・三島市)でコレクションを集めた展覧会も開催しました。
谷川の作品は自然界の動物や植物などが色彩豊かに描かれた作品が特徴ですが、今回は'76年~'78年に制作された作品を展示いたします。谷川は、アメリカ文化を心身通して享受した少年時代の体験を当時のアメリカ大衆文化に沿って「アール・ポップ」と呼び、'79年には自身で画集の編集、展覧会などを行いました。今回はこの時代に描かれた100点余りの作品から約15点を選びました。
殺伐とした都市の風景に形象化した無表情な群衆たち。作品の画面には戦後、思想や世相が大きく変化を遂げ、時代に取り残された若者たちに大きな影響を与えたアメリカ文化から、それらに戸惑いながらも漂い、どこにでもいる正体のない平凡な人たちが溢れています。谷川がその時代に描いた作品は現代の今という時代にも呼応する感覚があるようです。今回、東京では4年ぶりの展示となります。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
>> 谷川晃一 略歴
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