この度、彫刻家 岡本敦生(おかもと・あつお)の新作展を開催します。岡本は1951年広島生まれ。1977年多摩美術大学大学院彫刻科を修了後、作品発表を始め、日本を代表する彫刻家へ贈られる中原悌二郎賞優秀賞、ヘンリー・ムーア大賞などを受賞しました。その後も国内外の展覧会へ出品し、シンポジウムなどにも参加。野外彫刻なども数多く手掛けています。2005年には画家野田裕示とのコラボレーションで「第21回現代日本彫刻展」で毎日新聞社賞を受賞するなど日本を代表する彫刻家の一人として活躍。さらに近年ではイギリス各地でのシンポジウム、個展を行い好評を博しました。今回の個展は日本で6年ぶりの新作展となります。
これまで岡本は主に白御影石を素材に有機的なイメージの作品を発表してきましたが、前回の個展(2008年)では石の全体にパンチングメタルのような人工的な穴が開いた人体の立像や蹲ったかたちなどが見られました。それらの作品は素材の美しさはそのままに、いくつもの穴を施したり、つなぎ合わせたりする岡本の作為によって新たな命が宿り、圧倒的な存在感を放って出現します。
今回の新作はユマニテの新しいスペースに併せて、高さ2m程の大作と、壁面を利用した幅1mの作品が発表されます。近年もますます精力的に制作を続ける岡本。この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
<作家コメント>
先ず、石の塊の中程までドリルで穴を穿ちます。
その穴の先端に向けて新たな穴を開けます。
その次の穴も同じ場所を目指して穴を開けていきます。
それぞれの穴が貫通すると、無機質だった石が息を始めます。
私はただひたすらに、その息の正体を探る、穴の発掘をするのです。
>> 岡本敦生 略歴
<以前の展覧会情報>
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