近藤竜男(1933-)は'55年東京芸術大学を卒業後、読売アンデパンダン展に参加、サトウ画廊、村松画廊で個展を開催し'61年に渡米。2001年までの40年間はニューヨークを拠点に日米での個展やグループ展などで発表し活動を続けました。
近藤がニューヨークに渡った'61年当時は、抽象表現主義の末期からポップアートが台頭してきた時期でしたが、近藤はグレーやグリーン、ブルーなどの対角線の構図から構成される幾何学的でシャープな印象の作品で独自の世界観を作り上げました。その時期の仕事は2002年に練馬区立美術館で開催された回顧展「ニューヨーク⇔東京
1955~2001」で紹介され、その後の新作は2010年のギャルリー東京ユマニテでの個展で発表しています。
昨年、スタジオの一隅から渡米前の'55-'59年にかけて制作された未発表ドローイングが300点余り発見されました。50年代の本格的な平面作品は、近年発表される機会がほとんどなく、先の練馬区立美術館での回顧展で一部が展示されたのみでした。本展はそのドローイングから作家自身によって選ばれた約50点を展示いたします。
昨今、'50年代の日本現代美術が再検証される中において、戦後から近代への端境期におけるアートシーンの中で、近藤がその時代性も含めどんな影響を受け、どのような方向性を定め進んだのかを展覧し検証します。併せて、関連のシンポジウムも開催いたします。この機会に是非ご高覧いただけますようご案内申し上げます。
>> 近藤竜男
略歴
<カタログ>
A4サイズ/17ページ/カラー図版46点/テキスト:野田吉郎/付属資料付き
シンポジウム「近藤竜男と1950年代のアートシーン」
●日時 2月9日(土) 15:00-17:00
●会場 スタンダード会議室京橋店
6F・C会議室
●パネラー 河口龍夫(美術家)、野田吉郎(東京大学大学院博士課程)、司会:辺見海(編集者)
*入場無料・要予約(ご予約はギャルリー東京ユマニテまで)
詳細はこちら >> 近藤竜男展チラシ(PDFファイル)
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「LC-018」
紙、鉛筆、水彩、オイルパステル
Pencil, watercolor, oil pastel on paper
42×55.3cm
「LC-008」 1957
紙、鉛筆、水彩、オイルパステル
Pencil, watercolor, oil pastel on paper
44.2×31.1cm
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