「物質は物語の夢を見るか」 2011 油性テンペラ、金泥、キャンバス 116.7×262.1cm
oil tempera, gold on canvas 116.7x262.1cm

 

高橋常政(たかはし・つねまさ)は1949年東京生まれ。'73年に創形美術学校卒業。当時偶然見た「ウィーン幻想派」の展覧会での衝撃的な出会いから、翌'74年にはウィーン、ハンブルクに渡り、R. ハウズナー、E. フックスに師事。途中ロンドン滞在を経て'78年までの4年間ヨーロッパで制作活動を行い'76年にはウィーンで個展も行いました。
'78年の帰国後は、個展やグループ展などで発表。その傍ら雑誌の挿絵、書籍の装丁、表紙画、映画ポスターなどのイラスト制作、舞台・衣装デザインの仕事も行ない、鮮明でインパクトある人物像で注目を集めました。

およそ30年に渡り画家、イラストレーターとして活躍してきた高橋ですが、近年は以前から興味を持っていたルネッサンス期のアンジェリコ、ボッティチェッリと室町期の等伯、狩野派、宗達、そして若冲など日本絵画との関係性を自身の作品制作を通して読み解こうと試みています。
作品「アンジェリコが若冲の虎の絵を描いたら…」は、もしアンジェリコが若冲の絵を見たらどのような影響を受けどんな作品を描くのかというイメージで制作されました。高橋自身が油彩テンペラという西洋的技法を学んだ画家であるということから、日本の伝統的絵画の影響を受け新たに構築されるこの試みは描くイメージやモチーフ、構図などが大きく変化し広がったといいます。

今回の展覧会タイトル「絵画の動的平衡」は、物質が走馬灯のようにさらさらと流れるイメージで、今起こっているこの現実はあらゆる物質が見ている夢のようなものなのではないか、と高橋はいいます。そのような視点から今回の新作は人間や動物、植物などそれぞれが強い存在感を持ちながらも渾然一体となったストーリィのある作品になっています。 ユマニテでは、実に18年ぶり4回目の個展、作品発表も12年振りとなる本展。2.6mもの大作を中心に約40点の展示になります。 益々精力的に新展開を見せる高橋常政の世界を是非ご高覧下さい。

 

高橋常政 略歴

 


「アンジェリコが若冲の虎の絵を描いたら、と描いてみる。」
2011 油性テンペラ、金泥、キャンバス 145.5×224.2cm
oil tempera, gold on canvas 
145.5×224.2cm

「金地の上の白い山羊のような生き物」
2011 油性テンペラ、金泥、キャンバス 65.2×91.0cm
oil tempera, gold on canvas 
65.2×91.0cm


「浮世絵の前のトマトの絵」 2010
油性テンペラ、金泥、キャンバス
oil tempera, gold on canvas
65.2×50.0cm (P15)

「役ニタタナイ羽」 2011
油性テンペラ、キャンバス
oil tempera on canvas
90.9×90.6cm (M30)

「西域の女性 1」(黄色の帽子)2011
油性テンペラ、金泥、キャンバス
oil tempera, gold on canvas
72.7×50.0cm (M20)


「2ツノ赤イ果物」 2000
油彩、キャンバス oil on canvas 60.6×40.9cm (M12)

会場風景

 

<展覧会概要>

高橋常政  「絵画の動的平衡」 TAKAHASHI Tsunemasa
2011.9.5(月)‐9.24(土) 日曜祝日休廊 10:30-18:30

 

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