この度、北村奈津子の新作展を開催いたします。
北村奈津子は1982 年生まれ。2004 年多摩美術大学油画専攻在学中に当画廊の若手作家を紹介する「humanité lab」企画の第一回展として、初個展を開催。
大学卒業後は東京を拠点に制作活動を行ない、国内外の展覧会、アートフェアなどで作品を発表。
今年は「越後妻有アートトリエンナーレ」の関連企画である、まつだい農舞台ギャラリーでの「里山動物園」、7月には郡山市立美術館でのグループショウなどに出品。そのユニークな作品で人気を集めている注目の若手作家です。
北村は主に石粉粘土に着色した大量の動物や植物、人体(体長40cm ほどの牛50頭、長さ30~90cm のアスパラガス120本など)で展示空間を埋め尽くし、作品を作り上げていきます。一見、愛くるしい動物や植物は、よく見れば実際にはあり得ないバランスであったり、人間のような表情で、哀愁が漂っているようでさえあります。
北村は、何気なく潜む日常の不思議に向き合い、その疑問を払拭するかのように、答えに辿り着くまでそれらを量産し続けます。
今回の北村の不思議は「泳ぐひと」。水泳練習の一連の様子がとてつもなく滑稽に見えたという、その発想から生まれた等身大の「泳ぐひと」によるインスタレーション。
さらに、子供のころから何故かその形と色に惹かれていたという「バナナ」の群衆も出現します。
ギャルリー東京ユマニテでは今回が3回目の個展となります。ますますその独自の不思議さに磨きがかかってきた北村奈津子の新作。この機会に是非ご高覧下さい。
展示内容
「泳ぐひと」 石粉粘土に着色された等身大の作品6 点
「バナナ」 石粉粘土、木に着色 長さ20~40cm、 約20~30 点
●作家コメント
「スイミングプール」
夏がくると学校ではプールの授業がある。泳ぐのはあまり好きではなかったが、泳ぐ練習は好きだった。皆一斉に浮く「だるま浮き」や「けのび」、歩きながら息継ぎの練習をしたり。
その一連の行動がとても滑稽に思えて楽しかった。夏がくると、思いだすその光景を水のない空間に表現してみたいと思っていた。
「バナナ」
バナナは私にとって少し、特別だ。その鮮やかな黄色に心惹かれる。どこからともかく引き寄せられてくるハエのように、私もバナナの前でみいってしまう。
バナナは私にとって少し、特別だ。高校生のころから、バナナのシールが好きで、集めたり、描いたりしていた。
今は亡き、祖母がとても、バナナが好きだったから、バナナは私にとって、また少し、特別になった。 じっと見いって、様々な思考世界に誘うバナナは、色々な世界をつなぐボートのようだと思っている。
特別に意識しているわけではないが、いつも日々の生活で見聞きしているもの、経験に触発されては、制作してきた。
今回も、それと違わない。
関連情報
北村奈津子が新作を出品します。是非ご高覧下さい。
『ゆらめく日常 アートの交差展 ~新進アーティストの視点~』
出品作家 青山ひろゆき 北村奈津子 タムラサトル 野口久美子
会期 2009 7/18(土)- 8/30(日)
郡山市立美術館
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/bijyutukan/
※8/15-16 北村奈津子による公開制作も行われます。
●北村奈津子 KITAMURA Natsuko
1982
宮城県生まれ
2006
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
個展
2004
humanité lab vol.1 北村奈津子展「退職したら牧場を営むのが夢の男とその部屋」ギャルリー東京ユマニテ、東京
2006
北村奈津子展「アスパラガスの誤解」ギャルリー東京ユマニテ、東京
2008
北村奈津子展「hanging」ギャラリー椿、東京
2009
北村奈津子展「swimming pool」ギャルリー東京ユマニテ、東京
主なグループ展ほか
2006
アートフェスティバル「アート@土沢」土沢、岩手
2008
町田市市民病院アートプロジェクト 小児科外来診察室 作品設置
2009
「里山アート動物園」まつだい農舞台ギャラリー、新潟十日町市
2009
「ゆらめく日常 アートの交差」郡山市立美術館、福島
その他、国内外のアートフェアに出品
関連リンク
2006.7
2004.11
お問い合わせは ギャルリー東京ユマニテ
humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306