眞田岳彦は1962年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、ファッションデザイナーとして活躍。より自由な表現を求めイギリスに渡り、彫刻家リチャード・ディーコンの助手を務め、彫刻、造形を学びました。
その後、訪れた北極圏グリーンランドでエスキモー達と共同生活を体験。先住民イヌイットの文化を知ることとなります。
1995 年の帰国後は、「身体と生命」、「人と衣服」をテーマに、原毛(羊毛、獣毛など)や植物の繊維を素材とした立体、インスタレーション作品を森美術館「六本木クロッシング」、メゾンエルメスなどの展覧会で発表。さらに、小岩井農場(岩手)、「越後妻有トリエンナーレ」新潟十日町など日本各地で日本の地域伝統繊維文化の再考プロジェクトなどを多数開催。様々なジャンルを超え幅広い活動を展開する作家です。
近年は、地域を巻き込んでその土地との関わりを作品にするフィールドプロジェクトの活動やグループ展での発表が続いた眞田ですが、今回の新作展は6
年ぶりの個展となり、眞田の造形の原点である、動植物の素材を紡ぎだした立体で、その素材の源である“いのち”に実際に触れて感じていただく作品が発表されます。
私たちは常に衣服をはじめ、動植物の素材に多く囲まれています。それらには人と同じようにかけがえのない生命の存在がありますが、私たちが日々その大切さを感じ取ることは少ないのかもしれません。
眞田はある個人的な体験から、ものに触れることでその生命の持つ愛おしさを感じることがありました。
その感覚が自身の制作の原点を再認識する機会となり、今回の作品へと繋がったと言います。
そして、今まで大切にしてきた生き物の身体から発生する素材を用いるという視点から、生命を糸に紡ぎ、それを巻いて形にし、それぞれが持つ温度感、質感などを鑑賞者自身の身体を通して直接感じてほしいと話します。
今回展示は、動植物の原毛(羊毛、獣毛、繊維など)を、眞田自身が糸を紡ぎ、集積物の糸玉にした、両手に収まる、または抱きかかえるほどの大きさの立体作品でおおよそ20点ほど発表されます。
普段なかなか意識することのない、動植物の“いのち”。私たちは眞田の作品を通して、それらの命に触れるそんな体験が出来ると思います。この機会に是非ご高覧ください。
眞田岳彦 (さなだたけひこ) 略歴
1962 年東京生まれ。桑沢デザイン研究所研究科修了。
ISSEI MIYAKE INC.勤務後、ロンドンに滞在。イギリス人彫刻家リチャード・ディーコンの助手を務め独立。
1993 グリーンランドに3 ヶ月滞在。1995 年帰国。
主な個展
1994 エコロジーセンターギャラリー、ロンドン
1997,’99 デザインギャラリー、東京
1998,’00 エキジビションスペース、東京
2002,’08 ギャルリー東京ユマニテ、東京
2002 メゾンエルメスフォーラム、東京
主なグループ展、ワークショップ
2000-03 「フィールド・プロジェクト、ウール」小岩井農場、岩手
2001 「E12」 カナダ大使館ギャラリー、東京、他ハーバーフロント・センター、トロント、他
2003 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」 十日町市博物館遺跡広場、新潟
2003 「フィールド・プロジェクト、稲穂」千葉県大山千枚田、千葉日本料理An、東京
2003 「いととぬの」群馬県立近代美術館、群馬
2003 「皮膚・身体・コミュ二ケート」女子美術大学美術館、神奈川
2004 「六本木クロッシング」 森美術館、東京
2004 「the space between 展」 カ-トゥン ユニバースティー、パース、オ-ストラリア
2004 「衣服の領域 展」武蔵野美術大学 美術資料図書館展示室、東京
2005 「丸の内<稲穂>プロジェクト」 千葉県大山千枚田、千葉。 東京丸の内 丸ビル、東京
2005 「Knit 2 Together」 クラフト・カウンシル他、ロンドン他、イギリス
2008 「セタガヤーンプロジェクト’08 庭を編」 世田谷文化生活情報センター生活工房、東京
眞田岳彦オフィシャルウェブサイト http://www.takehiko-sanada.com/
関連リンク 2002.03
お問い合わせは
ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306