石井厚生は1940年千葉県生まれ。多摩美術大学で日本抽象彫刻のパイオニアである建畠覚造(1919-2006)の薫陶を受け、大学卒業後から行動美術展などを中心に国内外で発表。パブリックアートの仕事も数多く手掛け、日本を代表する彫刻家に贈られる中原悌二郎賞優秀賞(1992)、本郷新賞(2005)を受賞するなど活躍しました。さらに2009年には三重県立美術館
柳原義達記念館での個展を開催し、現在も精力的に制作を続けています。
初期の金属作品や1980年代の石彫を経て、2000年代からは赤レンガを素材とした作品を発表。美術批評家ハーバート・リードの著書『近代彫刻史』を裁断して混入したモルタルで赤レンガを接着し、円環、円盤、壺といった形を形成するなど、常に彫刻の根源を追い求めてきた石井の強い意志を感じ取ることができます。
当画廊では3回目となる本展では、以前より親しんできたトラバーチン(石灰華)や赤レンガを組み合わせた自由でユーモアあふれる作品が発表されます。常に素材と向き合い、真摯に彫刻を表現してきた石井の新作を是非ご高覧下さい。
>> 石井厚生 略歴
〈前回の展覧会〉
石井厚生展 ISHII Atsuo
―かたちのまにまに…―
2023.1.10(火)‐1.28(土)
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「時空・287 ―つみきのまにまに―」
1975-2025
トラバーチン、レンガ、モルタル、ブロンズ、鉛筆
136.0(h)×115.0×115.0cm

「時空・284 ―つみきのまにまに―」
1977-2025
トラバーチン、レンガ、モルタル、アルミ、既成の椅子、鉛筆
176.0(h)×150.0×165.0cm

「時空・285 ―みちのまにまに―」
1979-2025
トラバーチン、レンガ、モルタル、油土彫刻
35.0(h)×90.0×158.0cm

「時空・286 ―つみきのまにまに―」
1995-2025
トラバーチン、自作彫刻写真
27.0(h)×48.0×48.0cm

「時空・283 ―おおとり浜のまにまに―」
1977-2025
レンガ、モルタル、シーグラス、自作彫刻写真、陶彫
6.0(h)×70.0×70.0cm
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