●川島 清(かわしま・きよし) 1951-
鉄、鉛、木、石膏など重厚な素材を用いて構成される川島の彫刻は、身体を通して紡ぎだされる言葉とともに構築された空間が提示される。一方、平面作品として発表されるドローイングは、彫刻のためのデッサン、プランとしての位置づけではなく、紙や板など素材の上に成立した彫刻として、また別の位置付けがなされている。
今回は1989年に創庫美術館 点(新潟)で発表された、鉛による平面作品を出品。
>> 川島清 略歴
〈出品内容〉
「Work 105」 1989 鉛、ワックス、アクリル 148.0.×100.0×7.0cm
「Work 106」 1989 鉛、ワックス 148.0×100.0×5.0cm
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川島清
「Work 105」
1989
鉛、ワックス、アクリル
148.0×100.0×7.0cm
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●川俣 正(かわまた・ただし) 1953-
北海道生まれ。1979年東京芸術大学美術学部油絵科卒業。1984年同大学院博士課程満期退学。ヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア、1982)、ドクメンタ(ドイツ、1987、1992)などに出品。世界各地で行われている建物や公共空間に木材を張り巡らせるプロジェクトは、その制作プロセス自体を作品とする「ワーク・イン・プログレス」の手法に拠るもので、マケットやドローイングもプロジェクトを実施するためのプロセスの一部であると言える。
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川俣正ウェブサイト
〈出品内容〉
『APARTMENT PROJECT テトラハウスN-3 W-26』(1983年、北海道)より
- 「プロジェクト・プラン(10)」 1983
コンテ、チョーク、鉛筆・ベニヤ板、バルサ材 68.5×91.5×9.0cm
- 安斎重男撮影 「川俣正 テトラハウス・プロジェクト・ドキュメント」
1983 シルバープリント
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川俣正
「APARTMENT PROJECT テトラハウスN-3 W-26 プロジェクト・プラン (10)」
1983
コンテ、チョーク、鉛筆、ベニヤ板、バルサ材
68.5×91.5×9.0cm
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●戸谷 成雄(とや・しげお) 1947-
長野県生まれ。1975年愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。ポスト・ミニマリズム、もの派以降解体された彫刻の再構築を試みる戸谷は、チェーンソーで木材を荒々しく削ることで成形する木彫作品を中心に手がけている。主な展覧会に「ヴェネチア・ビエンナーレ」(イタリア、1988)、「プライマルスピリット:現代日本彫刻展」(カウンティー美術館、ロサンゼルス、1990)、光州ビエンナーレ(韓国、2000)、「戸谷成雄
森の襞の行方」愛知県立美術館(愛知、2003)、「戸谷成雄 森―湖:再⽣と記憶」(市原湖畔美術館、2021)など。
〈出品内容〉
『雷神』、『湿地帯』よりドローイング
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戸谷成雄
「Untitled」
1993
コンテ、紙
48.5×63.0cm
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●野田 裕示(のだ・ひろじ) 1952-
野田は一貫して支持体と絵画表現のあり様をテーマに制作に取り組んできた。80年代初めの箱状の支持体を使ったレリーフ状の作品は、徐々に支持体全体を麻の袋で覆った形状に変化し、さらに画面にカンヴァスを幾重にも重ね、人体のようなフォルムが現れたり、一転して白のフラットな画面に自由な形を描いたりと様々な変容を見せている。近年は、初期に見られた箱型の支持体に木と麻布を用いて、2、3分割された画面の形や色彩、画面の奥にあるしわを寄せたカンヴァスを様々に組み合わせ新たな表現を提示してきた。
>> 野田裕示 略歴
〈出品内容〉
《WORK 189》 1984 アクリル、麻布、綿布、木/パネル
121.0×95.0×10.0cm
《WORK 196》 1984 アクリル、麻布、木、針金、竹/パネル
121.0×95.0×10.0cm |
野田裕示
《WORK 196》
1984
アクリル、麻布、木、針金、竹/パネル
121.0×95.0×10.0cm
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