黒田克正は1945年滋賀県生まれ。武蔵野美術大学、東京藝術大学大学院修了後、1988年「日本国際美術展大賞」受賞、以後「アートエキサイティング
'89 日豪交換現代日本美術展」、「安井賞展」、「大阪絵画トリエンナーレ」など国内外で作品を発表。近年も東京、京都で個展を開催するなど精力的に活動しています。縦横無尽に多くの線描と色相が交錯する画面。ニューヨークのグラフティアートの影響を受け、パワフルで即興的なペインティングが黒田の特徴です。
また、音楽家長谷川きよし、三宅榛名、女優吉行和子、舞踏家大野一雄等の舞台美術を手がけるなど、美術の垣根を越えて幅広く活躍。さらに2000年以降には真如堂(京都)元管主、画家の齋藤真成氏と、陶芸家清水六兵衛氏とそれぞれコラボレーション展を開催。世代を超え互いの価値観がせめぎあう作品は好評を博しました。
今回の展示は昨年に続いての個展となりますが10年ほど前から描きためたドローイングのみ約70点を発表いたします。黒田は油彩、アクリル、オイルパステル、墨、鉛筆など様々な素材を駆使しイメージを構築していきますが、その原点は日々描かれた膨大なドローイングの集積にあります。アトリエを覗くかのような沢山の紙片に描かれた作品たち。その息づかいとともに黒田の世界を楽しんでいただければと思います。是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
この永年にわたって描きためたドローイングの数々は、僕の絵画制作の原点として最も大切にしてきた「描く行為」の明確な証でもある。気まぐれなダイアリーとして描き散らした紙片に、快楽的に走らせた線や色彩の息遣い、ためらい、そして自身の存在の証を見ることが出来る。これらが第三者の厳密な凝視で洗い流された時、そこに「ひとの存在にある素朴で普遍的ユーモア」として爽快に立ち現れることを願っている。
>> 黒田克正 略歴
〈以前の展覧会〉
黒田克正展 KURODA Katsumasa
―イメージの集積と拡散 祝祭―
2019.9.2(月)‐9.21(土)
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