佐竹邦子は1997年多摩美術大学大学院美術研究科版画を修了。大学院修了後から精力的に国内外の展覧会で発表。多くの版画賞を受賞し、今最も注目される版画家の一人です。また、現在は同大学絵画学科版画コースで教授を務めています。
佐竹は「木によるリトグラフ」という独特の版画技法を用いて制作します。その作品は1mもの大判の作品も多く、スピード感溢れるユニークな作風が特徴です。さらに国内外の美術館、大学などでもワークショップを行い、オリジナリティあふれる技法は世界的にもその広がりを見せています。
今回の新作展は4年振りの個展となり、10年ほど前から取り組み始めたフレスコの新作を発表します。版を制作し紙に摺る版画と比べ、モルタルに鮮明な顔料を乗せて直に描いていくフレスコは手法が違っても、版を腐蝕する過程がフレスコの化石化と似ていると佐竹は言います。さらに新しい広がりを見せる佐竹の新作を今回もお見逃しなく是非ご高覧下さい。
〈作家コメント〉
「磑風舂雨=羽蟻が旋回するように飛び回ると風が起こり、上に下に飛ぶと雨が降る。
- When winged ants fly round and round, wind will blow. When they fly up and down, it will rain.」
物事が起こる前触れを意味する言葉である。何もないところに風は吹かない。目に見えない風の分子たちが動きまわることで、「風」というエネルギーへと転化する様をテーマに描いている。
>> 佐竹邦子 略歴
〈以前の展覧会〉
佐竹邦子版画展 「風分子 - Invisible Shape -」
SATAKE Kuniko print works
2015.11.9(月)‐11.28(土)
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