ギャルリー東京ユマニテでは初めてとなる下平知明(しもひら・ともあき)の展覧会を開催いたします。下平は1978年生まれ。2003年に愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻を修了。2016年に「大分アジア彫刻展」にて大賞を受賞し注目を集め、2018年には「KAJIMA彫刻コンクール」にて金賞受賞。今後の活躍がますます期待される作家です。名古屋を拠点に発表を続ける下平ですが、東京では初めての個展となります。
下平は、誰もが感じた事のある感情を丁寧にすくい上げ、大理石を用いて人物像を中心に制作しています。正座をする人物は、体から湯気か炎のような揺らめきを立ち上がらせ、下唇を噛み、膝の上で両手を固く結んでいます。内に秘めた感情の高まりや決意のようなものが感じられるとともに、そうしてぐっと堪えていないと消えてしまいそうな心の揺らぎに抗おうとするようでもあります。一方、花模様のガラスを組み合わせた作品では、ほとばしる感情を全力で放出しているようですが、それでも届かないもどかしさを抱えているようにも見えます。
本展では、高さ10~50cmの作品を中心に新作約8点を展示いたします。大理石の重さや硬さを感じさせない柔らかな曲線をまとい、白く輝く石肌はどこまでも滑らかな下平の作品は、その石の美しさも必見です。お見逃しなく、ぜひご高覧いただきますようお願いいたします。
〈作家コメント〉
まだ小さかった頃、気に入った小石を見つけては家に持ち帰っていた。
机の下に溜まっていくそれが、ただの石ころであることはわかっていた。
本当の宝物を手にする時はいつか来るのだろうか。
>> 下平知明 略歴
〈以前の展覧会〉
ジ・アートフェア +プリュス-ウルトラ 2014
2014.10.31(金)‐11.3(月・祝)
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