岩尾恵都子は1968年東京生まれ。1993年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了。2000年には新人作家の登竜門である「VOCA展」で大賞を受賞し注目を集めました。その後、KIAF(韓国アートフェア)で開催された「日本現代美術特別展」、
「VOCA 1994-2003 10年の受賞作品展」大原美術館(岡山)など国内外で作品を発表。さらに今年1月、損保ジャパン日本興亜美術館でのグループ展「クインテットⅡ-五つ星の作家たち」で発表された新作の大作は印象に新しいところです。
岩尾の作品には草原、山、空、家(らしきもの)がモチーフとしてありますが、それらは本来あるべき確実な姿で現れるのではなく、時にその期待は裏切られ、鑑賞者が作品の中で迷い込み、一瞬にして異次元に飛んでいきそうな不思議な空間に誘われます。日常何気なく過ごしている毎日に潜む不安と安堵。虚構の景色からは、不安を掻き立てるような不思議な世界が広がっています。
また近年の作品には、自身が家族を持ったことや親の介護経験が起因するのか、揺らぎない山々の景色の中、象徴的に小さな女の子や大きな睫毛が組み込まれてきました。彼女にとって、旅先での景色と目の前にいる家族の存在が混然一体となった画面が風景そのものなのかもしれません。さらに、今年年初の「クインテットⅡ-五つ星の作家たち」では、今までに抱えてきた様々な思いを整理しつつも、今後作家として描き続ける岩尾の覚悟のような潔さが感じられた作品でした。
今回の個展は、その後に描かれた最新作の樹木を描いた100号の大作を中心に小作品、ドローイングなど約10点を発表いたします。ギャルリー東京ユマニテでは9年ぶりの新作展となる今回、この機会をお見逃しなく是非ご高覧下さい。
<作家コメント>
私の祖母の祖母の祖母の祖母と私の娘の娘の娘の娘のことを想って絵を描いています!
只今、2015年7月3日午前11時52分!
>> 岩尾恵都子 略歴
<以前の展覧会>
岩尾恵都子展
IWAO Etsuko new works 2006
2006.4.3(月)‐4.22(土)
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