<作家コメント>
鉢は、器である。器の道は、物を入れる。ところが、器に物を入れるのは、限度がある。山海は、天下である。天下を鉢に入れるのは、痴人の夢である。天下を入れるのは、ただ、人のこころである。こころの広さは、天下を入れても余裕がある。こころも鉢である。広いこころしか、山、川、海が入ることができない。だから、鉢の天下は、こころの世界である。人のこころは十色がある、鉢の天下も十色がある。私の天下は、紺色である。
鉢,器也。器之道乃容物也。然器之容物有度也。山海,天下也。欲置天下於鉢中,実乃痴人說夢也。盡容天下者,唯人心也。人心之廣,可容天下于懐而有余也。人心亦可喩為鉢也。盡山河海流於心鉢之中,非寛廣之懐而未可也。故鉢中之天下即心中之世界。所謂人心為十色也,故鉢中天下亦十色也。吾之鉢中,天下乃青紺之色也。
谷 瑛 TANI Ei
1970 |
中国内モンゴル生まれ |
1996 |
内モンゴル師範大学美術学部卒業、同大学美術学部教師を担当 |
2004 |
宮城教育大学大学院修士修了 |
2005 |
東京創形美術学校研究科修了 |
2005~ |
中国厦門大学芸術学院準教授 |
2013~ |
多摩美術大学版画科研究員 |
[個展] |
2002 |
「月の冥感」 ギャラリー五番街、宮城 |
2004 |
「敦煌遺夢」 晩翠画廊、宮城 |
2005 |
「谷瑛展」 ギャラリーゴトウ、東京 |
[受賞] |
1997 |
中国「民族百花」賞第2回展銀賞
中国美術家協会十三回新人展入選 |
2008 |
中国美術家協会第十八回版画展入選 |
2009 |
福建省第11回全国美展選拔展優秀賞 |
2010 |
“锦绣海西”福建省当代美術大展優秀賞 |
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「山海経・折丹・来風」 2014
木版リトグラフ 45×54cm
「大荒東経・流波山」 2014
木版リトグラフ 45×54cm
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