池田龍雄 (いけだたつお) は1928 年佐賀県生まれ。大戦後の’50 年代初頭から常に前衛的な立場で制作に取り組み、いわゆるルポルタージュ絵画運動の中で注目されました。その後、日本の戦後美術を代表する作家の一人として絵画、オブジェ、パフォーマンスなどを行い、その活動は美術の枠を超え、舞台や映画の仕事にも携わりました。こういった池田の作品は、国内外の展覧会に出品するなど高い評価を受け、現在でも精力的に制作を続けています。
今回は、前回(2006 年)の個展で発表した「場の位相シリーズ」の延長線上にある作品群で、ミクストメディア、パネルによる1m~1.6m ほどの大作8 点を中心にその他、立体、ドローイングなどを展示いたします。
当画廊では3年ぶりの新作展になります。この機会に是非ご高覧下さい。

作家からのメッセージ
外から内へ、内から外へひとつづきの世界
この世には、見えないもの、あるいは見ることのできないもの
が無数・無限に存在する
見えるもの、もしくは見ることができるものはその中のほんの僅かだ
絵画とは見えないものを見えるようにすることだ、とクレーは言った
故に、絵画の可能性は無限である

略歴
池田 龍雄 (いけだたつお)

1928
佐賀県生まれ
1948
多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)入学
1949
安部公房、岡本太郎、花田清輝らのアバンギャルド芸術運動に参加「世紀の会」加入
1981
「1950 年代展」 東京都美術館
1982
「瀧口修造と戦後美術」 富山県立近代美術館
1985
個展「池田龍雄の世界展」 池田20 世紀美術館、伊東
「再構成・日本の前衛1945-1965」 オックスフォード近代美術館、イギリス
1986-87
「前衛美術の日本1910-1970」 ポンピドーセンター、パリ
1988
「日本のルポルタージュアート展」 板橋区立美術館、東京
1992
「日本の現代美術1945-1985」 東京都美術館
1995
「戦後文化の軌跡1945-1995」 目黒区美術館、東京
1997
「ねりまの美術 ’97 池田龍雄・中村宏展」 練馬区立美術館、東京
1998
「美術と舞踏の土方巽展」池田20 世紀美術館 「瀧口修造とその周辺展」 国立国際美術館
2000
「万歳七唱岡本太郎の鬼子たち」 川崎市岡本太郎美術館
2003
「九州力-世界美術としての九州展」熊本市現代美術館
2004
「再考・近代日本の絵画」東京都現代美術館
2005
「瀧口修造の漂流物」世田谷美術館、東京

主な著書
『絵画の距離』(創樹社 1980) / 『夢・現・記』(現代企画室 1990)/ 『蜻蛉の夢』(海鳥社 2000) / 『芸術アヴァンギャルドの背中』(沖積舎 2001) / 『池田龍雄画集』(沖積舎 2006) /『視覚の外縁』(沖積舎 2008)

お問い合わせは  ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306


「場の位相 09-Ⅱ」 2009
アクリル、ミクストメディア、パネル
103x160cm


「場の位相 09-Ⅰ」2009
アクリル、ミクストメディア、パネル
103x160cm


(参考作品)
「米」 1967 年 コラージュ、インク、紙 40.1x29.6cm

EXHIBITION

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