今年も京橋、銀座界隈の画廊が若手作家を紹介する展覧会「新世代への視点2009」が始まります。ギャルリー東京ユマニテは一昨年、若手作家の実験的な発表の場としての企画 humanite lab で初個展を行った鎌田あやを紹介いたします。

鎌田は現在、多摩美術大学大学院絵画専攻の2年に在籍。2007年humanite lab」 での初個展には、鎌田自身や友人の毛髪を集め、コサージュに仕上げた繊細で美しい作品を発表。また、昨年春の卒業制作作品は、真紅のビロードで作った大掛かりなドレッサーに、使い込まれた大量のぬいぐるみやおもちゃを取り付けた大作で、「ト-キョーワンダーウォール立体部門」で審査員長賞を受賞しました。

鎌田の作品制作においての興味は、女性としての自分自身、女性なる不思議な生き物の存在にあります。日々、他者の視線にさらされ、さまざまな抑圧の中で過ごす女性たちは、その状況を受け入れ、「女性」という役割を楽しんでいるかのようにも見えますが、「本当の自分とは何なのか」という、自分探しの旅を永遠に続ける少女なのかもしれません。

近作「mirror」は、女性の象徴ともいうべき手鏡に、つけまつげをびっしりと植え付けた作品です。見知らぬ誰かが使い込んだ手鏡ですが、その女性はどんな顔で覗き込んでいたのでしょうか?
鎌田は、実際に女性が使っていた身の回りにある、化粧道具、洋服、ぬいぐるみなど人の記憶と痕跡が残った中古の素材で、女性本来の繊細さ、強さ、美しさをインパクトのある独特の作品に仕上げていきます。
今回の新作展は、姿見につけまつげを施した作品や中古の洋服、映像などを組み合わせたインスタレーションとなります。
鎌田あやの繊細で不思議な魅惑の新作展、是非ご高覧下さい。

●作家コメント
私はわたしとしてワタシを生きるしかない。
世界を覗くことは、わたしを覗くことだ。
わたしとあなたの中には、世界が広がっているのだ。
まだ、「決定的」なわたしやあなたが、わたしは分からない。
わたしは相変わらず、曖昧で、宙ぶらりんだ。
そして、世界も相変わらず、曖昧で、交わることができない。
それゆえに、この世界はとても謎に満ち満ちていて、魅力的で、あきることがない。
もちろん、分からないがゆえに、絶望的になったり、クヨクヨしたり、涙を流したりも
する。
それでも、わたしはこの世界を信じている。
わたしを信じている。 あなたを信じている。

●鎌田あや略歴
1981
東京生まれ
2008
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
現在、多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻在籍

個展
2007
「鎌田あや展 こころに秘めた想い」ギャルリー東京ユマニテ
2009
「t-キョーワンダーウォール 鎌田あや展」東京都庁
「新世代への視点2009 鎌田あや展」ギャルリー東京ユマニテ
2010
「鎌田あや展」トーキョーワンダーサイト本郷、東京 (予定)

グループ展
2008
「東京五美術大学連合卒業・修了展」国立新美術館
「トーキョーワンダーウォール2008」東京現代美術館
「第44 回神奈川県美術展」神奈川県民ホール
「AMUSE ART JAM 2008」京都文化博物館

●関連企画
「新世代への視点2009」は会期中、下記関連企画を予定しております。
各画廊の展示内容、関連企画内容は「新世代への視点2009」ウェブをご覧下さい。
http://www.galleryq.info/news/news_newgeneration09.html

(参加画廊)
ギャラリーなつか / ギャラリィK / ギャラリー山口 / 藍画廊 / ギャラリーQ / GALERIE SOL / コバヤシ画廊 /gallery 21yo-j / ギャラリー現 / なびす画廊 / ギャラリー58 / ギャルリー東京ユマニテ

関連企画1 ミニコンサート
7/31(金) 3 会場にて若手演奏家によるミニコンサートを行います。入場無料です。

関連企画2 「画廊からの発言‘09」小品展
会期中 ギャラリーなつかにて各画廊推薦の小品展を開催します。

お問い合わせは  ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306


“my mirror” 2009
手鏡、つけまつげ


“夢の中に想い出がおしよせる”
ミクストメディア


“my mirror”
手鏡、つけまつげ


“そして、なお、星になり続ける”
LEDランプ、デジタルフォトフレーム、プロジェクター、
MP3 プレイヤー、椅子、鏡、布、木材

EXHIBITION

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