ギャルリー東京ユマニテでは、昨年夏、現在のスペースに移転したのを機会に、よりたくさんの若い
アーティストに作品発表をして頂くことを目的として、新たに「humanite lab」の企画を開始しました。昨年秋には北村奈津子展、今年3月には太田麻里展(共に多摩美術大学4年在学)を開催し、好評を頂きました。
今年は本格的にこの企画を展開するにあたり、12月までに4人の展覧会を開催します。今年この企画で発表するのは、殆どが学部生、大学院生などで、外部での個展が初めての方々です。作品の完成度はまだまだかもしれませんが、今後の活躍が充分期待できる若きアーティストたちです。
今回はこの企画の第5回目として塩谷良太を紹介いたします。
塩谷良太(しおや りょうた)は1978年東京生まれ。一昨年、多摩美術大学工芸学科陶専攻を卒業し、今春、筑波大学大学院を修了しました。昨年の「第7回岡本太郎記念現代芸術大賞展」では入選を果たし、その他、いくつかのグループ展で発表をしてきました。
塩谷作品の中で最も印象的なのは大小さまざまな陶で出来たクリップ「Ceramic Clip」シリーズです。陶という工芸的な素材を用いていますが、それらは蛤や鮑を連想させ、また巨大なサイズで人や物を挟み込んでいきます。それらのクリップが媒介となって、日常何気ないものたちの存在がクローズアップさされ、ユニークなシーンが広がります。
今回の展示は、全長2mと1mの大型クリップが3点、その他、自由に手に取って体験できる小さなクリップが25点ほどになります。
今回が初めての個展です。塩谷良太のキッチュで不思議な作品をどうぞ是非ご高覧下さい。
●作家コメント
現代芸術が完備された今の世界に新しい価値観を見い出す隙間はあるのでしょうか?
いくら頭で考えても価値発見の「再生産」が繰り返されるばかりです。
そこで私の場合、頭は後回しにして、まずは「手」と「もの」そしてものの「自然現象」の間であれこれやってみました。
すると、素材を物理的に維持するための否応ない作業の中に面白みを見つけることができ、表現はそこから半ば勝手に派生していきました。
私にとって、「体」と「頭」とでは「体」が、「もの」と「こと」では「もの」が先です。意識や意味は一歩遅れてついてきます。その一歩の差に、「再生産」ではない芸術が潜んでいるように思うのです。
●略歴
1978 東京生まれ
2003 多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻卒業
2005 筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻総合造形分野修了
2002 菜の花里見発見展(アートユニバーシアード)千葉県士気駅前
2003 豚をはさむ機械の嘘展 筑波大学大学会館別館ホール
第7回群馬青年ビエンナーレ 2003 入選 群馬県立近代美術館
つくばアートウィーク(CROSSING PATH) つくばセンターペデストリアンデッキ
2004 第7回岡本太郎記念現代芸術大賞展 入選 川崎市岡本太郎美術館
豚をはさむ機械の嘘展 exhibit LIVE [laiv] 銀座
●展覧会名 humanite lab. vol.5 塩谷良太展
●会期・日時 2005/8/22 (月)- 9/3 (土) 日曜日休廊 10:30-18:30
●会場 ギャルリー東京ユマニテ
〒104-0031 東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB1F tel. 03-3562-1305
※銀座線京橋駅6番出口より徒歩1分
●問い合わせ先 ギャルリー東京ユマニテ
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306 (e-mail) humanite@js8.so-net.ne.jp
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