ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介する実験的な展覧会「humanité lab」。今回は市川薫(いちかわ・かおる)を紹介いたします。 市川は1987 東京生まれ。現在、多摩美術大学博士前期(修士)過程工芸専攻に在籍しています。磁器の原料となる磁土を素材に有機 的な立体作品を発表いたします。学外では今回が初めての個展となります。是非ご高覧下さい。

 

作者コメント>

日本における陶磁器としての「やきもの」を鑑賞する際に、「土(陶土)という素材そのものの物質感を味わう」と言う共通認識がありま す。しかし、その「素材そのものの物質感」はいったいどこまで人々の感覚と結びついているのだろうか。視覚によってその「やきもの」 の肌理(きめ)や重量までも味わっているとするならば、それがくつがえされた時、人は何をもって鑑賞し、味わっていると言えるのだろうか。そんな問いを抱き、「直接人の感覚に繋がる造形物とは何だろうか」「造形物が人と関わる必要性とは何だろうか」と模索しながら、制作を続けてきました。

今回の展示では、「会場に訪れた人が、やきもの(造形物)と同一の空間にいる、と言う関係性をもった時、初めてこのやきもの(造形物)が作品として成り立つ」という定義をたて、展示場所に訪れた人にとって、従来の「作品を鑑賞する場」ではなく、「ただただ味わう場」を作りたいと考えました。

また、「ただただ味わう」というのは「受け入れる」という意味が含まれています。人とものが互いに受け入れることによって空間が生まれ、空間が生まれることによって争いもなくなります。そんなメッセージが込められています。

 

<展示内容>

磁土による立体作品 180cm (d)×120cm (w)×40cm (h)

 

 
<参考作品> 「美しい残像」 2010 右:同作品部分
磁土、布団、木材 400cm×290cm×45cm

 

<展覧会概要>

humanité lab vol. 37 市川 薫 「やきものから遠く離れて」 ICHIKAWA Kaoru
2011. 2/28(月)‐ 3/12(土) 日曜日休廊 10:30-18:30

 

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