humanité lab vol.23 飯嶋桃代展 「溶解する家」 IIJIMA Momoyo
2008. 8/25 (月) - 8/30 (土) 会期中無休 10:30-18:30

ギャルリー東京ユマニテが若手作家を紹介するユマニテラボシリーズ。今回は飯嶋桃代展をご案内いたします。

飯嶋は、1982 年神奈川県生まれ。現在、女子美術大学大学院博士課程に在籍しています。
石や木を使った彫刻作品も発表している彼女ですが、最近、好んで使っている素材は蝋(パラフィン)です。地面を大きく掘り下げ、その中にパラフィンを流し込んで制作された30 個もの家の群集、または、誰かが使い古した衣類や食器などの日用品をパラフィンで閉じ込める作品など。素材としてのパラフィンは溶けて消滅する儚さと固体としての堅牢な部分の両面を併せ持ち、そこに封印された記憶のイメージを増幅しているかのようです。
今回の新作は丸太を集積して、パラフィンで鋳込んだ1.5mほどの大作が2 点のほか、小品、ドローイングを発表いたします。
女性若手作家の中でも、大掛かりな作品を意欲的に制作続ける飯嶋。会期は1 週間と短いですが、お見逃しなく是非ご高覧下さい。

■作家コメント
丸太は「木」としての存在において誰一横たわっている状態 だと思う。立木から丸太として横たわり、また建材として立っ て家を構築する。横たわる丸太は中間的な存在として、意味 としての仮死状態にあると思う。蝋は、素材として脆弱さと強 かさを併せ持つものとして考えている。家の持つ、窒息感と ぬくもりは蝋の素材感と近いものを感じている。
そして、両者とも一時的な存在であると思う。そのような、蝋 で密封された横たわる丸太でできた家は、いずれ記憶と共 に溶解し、新たな景色を見るだろう。

■飯嶋桃代 (いいじま ももよ) 略歴

1982 神奈川県生まれ
2008 女子美術大学大学院卒業
現在、女子美術大学大学院博士過程在学
2006 個展「移動と定住展」Pepper′s gallery、東京
グループ展「小さな彫刻展」日本都市センター 緑道ギャラリー
グループ展「神奈川県展」 特選
2007 グループ展「とよた美術展」 審査員賞
シンポジウム“ASLLA INTERNATIONAL SYMPOSIUM”(韓国)

お問い合わせは  ギャルリー東京ユマニテ humanite@js8.so-net.ne.jp
tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306


手前「溶解する家Ⅱ」丸太、パラフィン 86x70x74cm
奥「溶解する家Ⅰ」丸太、パラフィン 165x70x78cm


”Dress house Shoes house Dish house” 2008
ミクストメディア、パラフィン 90(h)x65x60cm x 3 pieces


「移動と定住」 2007
パラフィン、土 33x26x38.5cm x 30 pieces

EXHIBITION

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