川島 清 展   水量 Ⅲ
Kiyoshi KAWASHIMA “Quantity of Water Ⅲ”
2007/ 5/ 14(月) - 6/ 7(木)

 川島清は1951年生まれ。’83年に東京藝術大学大学院美術研究科博士課程を満期退学し、1986-’88年にはAsian Cultural Council の助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加しました。’93年にはいわき市立美術館での個展、その後「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォロクローレ美術館、デュッセルドルフ美術館)、「ART-TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館)などに出品。国内外で作品の発表を行い、近年は毎年、彫刻の新作を発表しています。 また、昨年秋には、いわき市立美術館で「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」が開催されました。

「水量-胴体容」
2006-2007 鉄、木、砂、オイル、ニス 82.3×59.5×650㎝

川島の彫刻は、鉄、鉛、木の素材が、それぞれが構築され、複雑な時間が重層されます。それらの彫刻空間と時間を鋭く感じさせる独自の世界は日本を代表する彫刻家の一人といえます。その時代と現在の時の流れ、その時にあったものと今あるもの、そして無いもの。物質との取り組み、「見る」ことへの思い。川島は物質本来の存在について問い続けます。また、近年は彫刻とは別に銅版画にも取り組み、新たな表現の展開を試みています。


「水量-鯨耳腔」
2007 鉄、鉛、木、油土、ラバー 43.8x63x56.5cm

本展は昨年に続いて彫刻の新作展となります。今回は2003年から発表を続けている「水量シリーズ」の新作3点が発表されます。その内の「水量-胴体容」は木と鉄を素材とした6.5mの大作です。他に銀杏やチーク材に鉄・鉛を組み合わせた作品が2点。それぞれの素材と長年くり返し対峙を続け、物質の可能性と質を思考する作家が、その問いとして作品を発表します。素材である鉄や鉛、長いときを孕んだ松の木、その圧倒的な存在感、時間と物質の痕跡によって、そこに新しい彫刻空間が生まれ、質を問いかけます。

----- 作品紹介 -----

「穴のある楕円嚢」
2007 鉛、木、胡粉、オイル
19.7×46×41.5cm
「PATIO-7」2000-2001/2007(改作)
鉄、鉛、木、紙、サンドペーパー、ガッシュ、ワックス
11.5×33.7×15.5cm
「PATIO-6 河と時間と種子をめぐる断片」
2000-2001/2007(改作)
鉄、鉛、紙、ワックス
11.5×46×15.5cm

関連リンク
2006年10月  2006年7月  2005年11月  2005年3月  2004年8月  2004年3月  2003年4月 

■展覧会概要
展覧会名 川島 清 展  水量Ⅲ  Kiyoshi KAWASHIMA  “Quantity of WaterⅢ”
会期 日時 2007 / 5 / 14 (月)- 6 / 7 (木) 日曜日休廊  10:30-18:30
会場 ギャルリー東京ユマニテ
〒104-0031 東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB1F
※地下鉄銀座線京橋駅6番出口から徒歩1分
問合せ先 ギャルリー東京ユマニテ   tel. 03-3562-1305 fax. 03-3562-1306
(e-mail) humanite@js8.so-net.ne.jp
川島 清略歴
1951 福島県生まれ
1983 東京藝術大学大学院美術研究科博士課程満期退学
1986-88 Asian Cultural Councilの助成を受けて渡米
1987 P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)
1989, ’90 個展 (現代彫刻センター/東京)
1992, ’01 個展(フジテレビギャラリー/東京)
1993 個展(いわき市立美術館/福島)
1993 「90年の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォロクローレ美術館/イタリア、デュッセルドルフ美術館/ドイツ)
  「富山国際現代美術展」富山県立近代美術館
1996 「レクイエム-榎倉康二と33人の作家」(斎藤記念川口現代美術館/埼玉)
2000 「ART-TODAY 2000-3つの回顧から」(セゾン現代美術館/長野)
2003,’04,’05,’06 個展(ギャルリー東京ユマニテ/東京)
2006 「彫刻なるもの-川島清、土谷武、若林奮の作品から」(いわき市立美術館/福島)
参考文献(2003年以降展覧会カタログ)
2003 「川島清-水の否定形」(木下長宏)/
川島清展「熔水-納屋をとほして」ギャルリー東京ユマニテ
2004 「対話 川島清 保坂和志」/
川島清展「Observation・蝕・水量」ギャルリー東京ユマニテ
2005 「水の曖昧さと対象とのつながりについて-川島清の版画作品をめぐって」(高島直之)
川島清「新作素描・版画展」ギャルリー東京ユマニテ
2006 「川島清の三つの彫刻」(前田英樹)/ 川島清展「水量 水量Ⅱ」ギャルリー東京ユマニテ